パンをお皿に
photo by: kent_staff
トレンチャー(trencher)とは、中世のヨーロッパで、一般的に使用された食器のことを意味します。
中世のヨーロッパにおいて、王侯貴族、富裕層の食事は、まるごと一頭分の肉を焼き、家の主人が剣で客人の前で肉をさばき、料理を取分けていました。
そこに使用していたのが一人一人の取り皿となるトレンチャーです。
中世の初期は、トレンチャーとして、硬くなった平パンが使われていました。
肉料理から出た肉汁で柔らかくなるため、食べることもできます。
王侯貴族、富裕層は、パンのトレンチャーを食べることは下品だとし、肉汁で浸されたパンは、使用人に分け与えたり、家畜の餌としていました。
それゆえ、トレンチャーは「施し皿」ともよばれたそうです。
トレンチャーが用意できない貧民層は、木の板に直接料理を載せて食べていたようです。
なぜパンがトレンチャーになったのか