【プロの解説】おすすめのアンティーク家具用ワックス

- 2022/9/1 12:00
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アンティーク家具用 ワックス

アンティーク家具のワックスのかけかた

アンティーク家具をより永く使うためには、日常的なお手入れは欠かせません。
家具に艶が無くなってきたり、乾燥して家具の表面がカサついてきたら、アンティーク家具用ワックスを塗ることをお勧めします。
ワックスを塗ることで艶を出し、木材に対しても栄養と潤いを与え、塗装部分にも皮膜ができ、傷や水気から家具を守ってくれます。
特にダイニングテーブルの天板などは使用頻度も多いので、塗装の劣化する可能性が高い箇所です。
天板のお手入れは使用頻度に応じてワックスの回数を増やしていけば、より永く綺麗な塗装状態でご使用いただけます。

ここでは、ケントストアがおすすめするアンティーク家具用ワックスをご紹介します。

※ケントストアはマイランズ社の日本総代理店です。


英国最大のアンティーク家具修復材料メーカー マイランズ社

マイランズ社のアンティーク家具用ワックス

マイランズ社(MYLANDS)は、塗装職人であったジョン・マイランド(John Charles Francis Mylands)により、1884年にイギリスのロンドン南部ストックウェル(Stockwell)で家具用塗料メーカーとして設立されました。
・「最高品質の材料で塗料を作ること」
・「最高の技術と情熱を持つ職人が塗料を作ること」
創設者が掲げたこの2つのシンプルかつ難しい信条を貫くことで、修復のプロフェッショナルから圧倒的な支持を受け、家業として4代にわたり高品質な塗料を提供し続けています。
現在では英国最大のアンティーク家具修復材料メーカーとして成長し、BAFRA(The British Restorers’ Association:英国アンティーク修復協会)からもアンティーク家具における推奨品として指定されている他、英国王室御用達の商品にも選ばれました。
また今では、品質の高さからテレビや映画、劇場などの舞台美術用の塗料も数多く手がけています。


マイランズ社のワックスとは

マイランズ社のワックスは1880年代から変わらぬ製法で作られています。
原料には最も純度が高く硬度である天然のワックス(蜜蝋、カルナバ蝋、シェラック)を使い、その中でも高級なカルナバ蝋を多く含んでいるため、抜群の仕上がりを実現することができます。
その質の高さと汎用性の高さゆえに、100年以上もの間、アンティーク家具の修復師に愛される逸品です。


蜜蝋(みつろう)とは

花の蜜を食べた働きバチは花の蜜を体内でハチミツに加工します。
そしてお腹にある蝋線というところから蝋を分泌し、それを口と足を使って正六角形の巣を作っていきます。
巣から、ハチミツを採った後に残るものに加熱、圧搾するなどして精製したものを「蜜蝋」と言います。

アンティーク家具用ワックスの成分蜜蝋

カルナバ蝋(カルナウバロウ)とは

カルナバ蝋(カルナウバロウ)は、ヤシ科のブラジルロウヤシの葉からとれる蝋です。
天然植物からとれる蝋の中でも、カルナバ蝋は、つや、光沢、硬さに優れており、他の油性原料をまとめる硬度調整の機能が高い蝋です。
ブラジルロウヤシは、ブラジル北東部に生息するヤシ科の木で「生命の木」とも言われています。
発育が遅いため、ワックスが採取できるようになるには、約15年もの年月がかかるそうです。
ブラジルロウヤシから採取した葉を4日以上天日干しをし乾燥させます。その後、葉を叩きつけたりして粉を集めます。
現在は脱穀機を用いてパウダーを葉から分離します。
その集めた粉末を水と混ぜて溶かし液状のワックスを作ります。

アンティーク家具用ワックスの成分カルナバ

シェラック(セラック)とは

体長 約0.6 mmのラックカイガラムシが、マメ科やクワ科の樹木に集団で寄生し樹液を吸い体外に分泌します。
その分泌した棒状になった物質を細かく砕き、熱、あるいは溶媒を用いて虫体被覆物を構成する樹脂状物質を抽出したものがシェラックです。
インドやタイなど東南アジアや中国で養殖さえ生産されています。

アンティーク家具用ワックスの成分シェラック

マイランズ社のワックスのご紹介

DARK PATINATING ダークパティネイティング

マイランズ社アンティーク家具用ワックスのダークパティネイティング

ほぼ黒に近い非常に濃いブラウン色です。
アンティーク家具、リプロダクション家具のエージングや風合いを出したい時にお勧めです。


DARK OAK ダークオーク

マイランズ社アンティーク家具用ワックスのダークオーク

オークなど黄色系の濃い茶色の家具にお勧めです。
塗りこむと細かい傷などが目立たなくなります。


ANTIQUE MAHOGANY アンティークマホガニー

マイランズ社のアンティーク家具用ワックスのアンティークマホガニー

マホガニーやウォールナットなどの赤茶系の濃い家具に最適です。
深みのある黒に近い赤茶色なので、非常に上品で落ち着いた風合いになります。


LIGHT BROWN ライトブラウン

マイランズ社のアンティーク家具用ワックスのライトブラウン

明るいオレンジブラウン色です。
クリアーにやや淡いオレンジ色が足された色味です。
修復師にとても人気があり、英国では家具の教育機関でも推奨されています。


LIMING ライミング(ホワイト)

マイランズ社のアンティーク家具用ワックスのライミング

「ライミング」とはヨーロッパの伝統的な技法であり、木目をつぶしていない塗装や白木に使用することで木目に白が残り、独特な仕上がりになります。


CLEAR クリア

マイランズ社のアンティーク家具用ワックスのクリア

無色のため、ナチュラルな仕上げに最適です。
パイン家具やライト色のオーク家具、またはチークなどの薄い色でワックスで色をつけたくないものにお使いいただけます。


STRIPPED PINE ストリップドパイン

マイランズ社のアンティーク家具用ワックスのストリップドパイン

パイン家具用のWAXです。
英国パイン家具業界では最も人気のある定番色です。



※色見本はあくまでもイメージ色であり、実際の色とは異なる場合がございます。


マイランズ社のワックスの使用方法

アンティーク家具のワックスのかけかた

1.アンティーク家具についたホコリや皮脂などを乾いたウェスできれいに取り除いていきます。
よくふき取ることでワックスの浸透をよくします。
2.ワックスを刷り込むように塗っていきます。
彫刻部分やドローリーフテーブルの天板の溝などは、ウェスだけでは細部にまでワックスがいきわたりません。ブラシなどを使いワックスを刷り込んでいくとよいでしょう。
3.ワックスを塗った後、5分ほど置き、木に浸透させます。
4・ワックスの表面が乾燥してきたら、拭き取り用でご準備頂いた布で磨き込むようにしっかりと拭きます。何度か布の面を替えて、色が付着しないくらいまで拭き取っていきます。 最初は乾燥したワックスが硬く引っかかりますが、布の滑りが良くなるまで拭き取ります。

詳しくは、「ポリッシャーが伝えるプロのワックスのかけ方」をごらんくださいませ。

また、ケントストアではその他さまざまなメンテナンス品をお取り扱いしております。

 

商品に関すること等、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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