アンティーク・ヴィンテージ家具を扱うにあたって、最も大切なことは「リペア」だとケントは考えます。
リペアとは「修理」という意味だけではなく「回復」という意味もあります。
ヨーロッパで家具が繰り返し受け継がれアンティークという称号を与えられるのは、このリペアの考え方が根底にあるからなのです。リペアへの追求をより深めていくと英国基準のリペアではなく、高い品質を求められる日本基準の高品質なリペアにこだわるということにケントは辿り着きました。それはつまり、ただ壊れた箇所を修理するのではなく、日本のお客様が安心してずっと使い続けられる品質に回復させることです。そうして英国で何代にも渡って受け継がれてきた家具をこれから先の100年を日本で受け継いでいきたくなる家具をご提供していきたいと考えています。
これがケントが大切にするクオリティに対する考え方です。
英国ネットワークと日本のクオリティーを
リンクしたケントアンティーク家具
買付
英国アンティーク家具を熟知し、経験と実績あるケントバイヤーが日本の生活スタイルに合う日本人好みのアンティーク家具を英国全土を回り、厳選し買い付けています。
英国とのネットワークは実に30年以上の取引実績。出所のしっかりわかる安心で安全なアンティーク家具を取り扱っているディーラーとのみ取引を行っています。また、その英国ネットーワークは非常に広く、様々な商品を数多く取り揃えることができます。
買付は1~2ヶ月に一度と頻繁に行っており、幅広い商品を安定的に供給できるのがケントアンティークの強みです。万が一ケント在庫にない商品でも、長年培われてきた英国ネットワークを駆使して、お探しすることも可能です。


輸入
ケントのアンティーク家具は1~2ヶ月に一度、40フィートコンテナを満載にして、イギリスから約1ヶ月の洋上期間を経て、静岡のケントファクトリーに届けられます。
イギリスでは熟練のアンティークディーラーにより一つひとつ丁寧にアンティーク家具は梱包、積載されます。温度差の激しい洋上のコンディションや衝撃等を視野に入れ全て梱包、積載されています。
イギリスより届けられたコンテナは静岡のケントファクトリーに直接届けられ、工場の搬入口にじか付けされます。コンテナに積載されたアンティーク家具はケントスタッフが手作業で荷卸され、検品されます。検品の際には一つひとつ写真を撮り、状態、サイズ等を細かくチェックします。



修理
イギリスより直接輸入されたアンティーク家具は日本での家具に対する基準を満たすため、静岡の経験豊富な職人によって丁寧に修理、修復されます。
修理、修復する際はアンティーク家具本来の良さや古傷(パティネ)を生かしながら、日本のスタンダードに合うよう行われます。年間3000点以上のアンティーク家具がケントファクトリーでは修理されており、アンティークならではの風合いを残しつつ、安全性の高い高品質アンティーク家具を提供しています。


ケントファクトリーで修理、修復の際に使用されている金具・レザーなどの装飾品から塗料、テクスチャーに至るまで、全てイギリスからの直輸入品を使用しています。
昔からの鋳型を使用し新たに作られた金具はアンティーク家具の魅力を損ねることなく、機能性にもすぐれた品質の高いものばかりです。
デスクのトップやオケージョナルテーブル、ビューローブックケースなどに使用されているレザーは現地イギリスの老舗メーカーのもので、エンボス加工やゴールドのライニングは昔から使用されてきたツールや技術によって製造されています。
塗装に関しては英国王室御用達マイランズ社のものを使用していますので、味わい深く洗練されたイギリスならではの仕上がりを実現しています。


一つひとつ丁寧にリペアされたアンティーク家具をお客様のもとに安全にお届けすることはとても重要なことです。
ケントでは一つひとつのアンティーク家具の形状や材質を理解し、これまで培ってきた経験を生かしながら丁寧に梱包いたします。
また、お客様のニーズやご予算に応じて梱包方法を変えることができるのもケントの強みです。簡易的な梱包から箱製作をするような特別な梱包まで幅広く行っております。


販売
株式会社ケントは静岡にケントストア静岡本店、東京目黒にフラッグショップとしてのケントストア東京目黒店を構えており、丁寧に修理され、厳選されたアンティーク家具が展示販売されております。
ケントの販売スタッフは、一定のアンティーク研修をしっかりと受けており、イギリスのアンティーク家具の魅力を最大限にお伝えするため、歴史的背景やデザインの特徴といった情報だけでなく、修理メンテナンス方法、日本のライフスタイルに合ったアンティークの活用方法やコーディネートをご提案しております。
また、アンティーク家具小売店、設計事務所、飲食店、アパレル関係の事業主様に対してもサポートを行っております。是非お気軽にご相談ください。



アフターケア
ケントでは日本の中心に位置する静岡に大きな修理工場を所有することで、いつでもお客様がアフターケアを受けられる体制を整えております。
ケントでご購入いただいたアンティーク家具には1年間の安心サポートがございますので、万が一何か破損があった場合でも無償で修理サービスをお受けいただけます。
また、ご購入後1年以上経過したアンティーク家具につきましても、所有されている間は永久的に有償修理サポートが保証されております。
経験豊富で技術力のある修理師のサポートをお受けいただけますのでご安心ください。


①熟練のアンティーク
塗装技術
②アンティーク家具を
引き立たせる装飾金具
③アンティーク家具だから
こその強度へのこだわり
④安全面を重視した
ガラス交換
⑤本場英国製の
レザートップ
⑥機能面に至るまで
ディテールにこだわる
⑦ こだわり抜いた
日本の木工技術
ケントファクトリーの一貫修理
我々はアンティーク家具の修理を、どこよりも品質の高いものに仕上げることを目指し、実践しています。
約1000㎡の面積を持つケントファクトリー(ケントアンティーク家具直営工場及び倉庫)では、マニュファクチュール(自社一貫生産)を自らの使命と考え、教育と経験に裏づけされた熟練の家具職人が修理に携わります。
木工・剥離・塗装修理からパーツ製作、布地張替、ガラス交換、レザー加工、金具取付交換、付属品整備、クリーニング及び新規製作、改造まで、あらゆる修理を自社で取り組み、品質の高いアンティーク家具の再生に取り組んでいます。
アンティーク家具の修理で大切なことは、単に壊れた個所を直すだけではなく、これから先の世代にも受け継がれる修理を施すことだとケントアンティーク家具では考えています。
いつの時代にもアンティークの持つ成熟した豊かさを伝承し遺すために必要な努力だと思います。
このようなマニュファクチュールに基づくアンティーク家具の修理に対する考え方は、ケントアンティーク家具が更なる品質と信頼性の向上を目指してたゆみなく挑戦し続けることと、時代に流されない良質なものを自らの手で生産し、遺し続けることを意味しています。
こだわりを極める技術と量産を排して生産されるケントアンティーク家具の商品群は、高い品質と信頼性が保たれており、多くのお客様から賞賛を集めています。
パーツ製作
長年の経験に裏付けされた技術と知識によって欠損しているパーツを復元します。
生地張替え
機能的に重要な役割を持つ天板裏のフェルトやチェアの座面、キャビネットの裏地など、状態の悪い古いものは新しく交換します。表面だけでなく家具としての機能も甦らせます。
ガラス交換
古ガラスの小さな欠けがケガの原因となる場合があるため、安全重視の観点から交換します。
レザー加工
英国でも数少ないレザークラフトマンが昔ながらの技法でこだわりのデスクトップレザーを製作します。
金具取付
当時の鋳型から再製作される金具類を英国より直輸入し取付けることで家具の表情を豊かにします。
ポリッシング
厳選した家具専用ワックスによる最終的な磨き込みでアンティーク特有の美しく奥深い輝きを放ちます。
ケントクオリティーの3つのこだわり

Japan Quality
日本のお客様水準に合わせた、
安心の日本人家具職人の匠の技

English Material
英国アンティーク家具の魅力を
最大限に再現する厳選した材料

Aftercare
リペアにより保守され続けてきた、
英国家具の歴史を継承する使命とアフターケア
日本のお客様水準に合わせた安心の
日本人家具職人の匠の技
ケントファクトリーのある静岡は日本の家具産地として繁栄した町。
その歴史は徳川家康公の祈誓により、徳川三代将軍家光公が静岡浅間神社の社殿の修造を命じ、全国から優れた大工、指物師、彫刻師、漆工などの職人が集められたことに由来します。
ケントのアンティーク家具は経験と実績を兼ね備えた熟練の家具職人によって修理を行っています。
日本のお客様の厳しい目線によって鍛え上げられたその実力は、新しい家具に引け目をとらないアンティーク家具の完成度をもたらし、当時の姿を蘇らせると同時に性能面におけるクオリティは当時を凌駕するものとなっています。さらに本場英国にて修行した職人がその感性をもとにアンティーク独自の風合いを再現しています。
英国アンティーク家具の魅力を
最大限に再現する厳選した材料
ケントでは家具としての機能、安全性といった技術面は、日本の職人がもつ器用さ緻密な精度をもって施すことが一番適切だと考えています。それに対して表面のテクスチャーはその魅力とリアリティを表現するのに本場の材料に優るものはないと考えます。
そこでケントが取扱う塗料はBAFRA(英国アンティーク家具修復協会)からも推奨され、英国王室御用達メーカーのマイランズ社の塗料を使用しています。
ロイヤルパレスの家具修理にも使用され、アンティーク家具と同時代より製造され続けているこの塗料は相性も抜群で、アンティーク家具のテイストを再現するのには最も必要な塗料材料となります。
装備品に関しても、同時代の鋳型で製造される金具にこだわり、アンティークのリアリティを再現しています。デスクのレザートップは本体にも勝る存在感がありますので、劣化したデスクトップを我慢しながら使うことなく、機能的にも快適に使用出来ることを目的に当時と同じ手法で英国の伝統技術者が再現することで、家具の魅力と価値を格段と上げています。
家具本体の機能性・安全性と同様に、見た目の美しさ、ディティールにもケントは妥協を許さずこだわります。
リペアにより保守され続けてきた
英国家具の歴史を継承する使命とアフターケア
英国において家具は代々引き継がれるものです。その為に家具のリペアは欠かせません。この様な背景とニーズにより、英国では家具修復士を育てる学校があるのです。
日本国内においても、英国より輸入されたアンティーク家具を使用するということは、その英国の家具に対する考え方を引き継ぎ、家具の歴史を継承するということで、適切なケアは必要不可欠となります。
ケントではアンティーク家具を販売するだけではなく、英国人の家具に対する意思も引継ぎ、伝承し、日本国内でリユースし続けていきたいと考えております。そのため、ケントには英国の家具修復学校で学んだ職人もおり、本場仕込みのリペアでアフターケアに対応しています。
Samples of KENT’s Restoring Points
ビューローブックケースから見るケントのこだわりポイント



① 熟練のアンティーク塗装技術
ケントのアンティーク家具は、本来のアンティーク家具の良さを引き立たせるため、英国アンティーク家具修復協会BAFRAが推奨する最高級塗料マイランズを使用しています。
長年アンティーク家具を専門に塗装を行ってきた熟練の職人がそのマイランズの塗料を使用し、木材自体の質や色、状態を見極めながら色合わせを行い丁寧に完成させます。
色合わせの見極めは決して容易な事ではなく、長年培われてきた経験と感覚で微調整を行わなくてはいけない極めて技術のいる作業です。



② アンティーク家具を引き立たせる装飾金具
ケントではアンティーク家具ならではの趣とオリジナリティーを常に尊重しております。しかしながら、破損や欠損した金具に関しては全て新しいアンティークパーツに交換しております。
弊社で使用されているアンティーク家具の装飾部品は全てイギリスより直輸入されており、アンティークの趣を壊さない当時の鋳型を用いて再生された金具のみ使用しております。
ケントで修復された全ての家具はとても自然で美しい仕上がりとなっており、また機能性にも優れております。

③ アンティーク家具だからこその強度へのこだわり
アンティーク家具の修理品質を確かめるに一番の方法は内部までしっかり見ていただくことです。
ケントでは目に付く表面だけを綺麗にすることなく、現代の使用環境に合わせた調整が内部の至る所にまでしっかりと行き届いていることに気づかれると思います。
木が痩せてガタついたり、乾燥による糊の乾きでパーツが外れたりするのを防ぎ、劣化している箇所を補強することで強度が増し、安心安全に使用することが出来ます。
アンティーク家具を長く使う為には必要であり、大切なポイントであると考えています。

④ 安全面を重視したガラス交換
アンティーク家具に従来から付けられていたガラスはとても趣きがあり、年とともに歴史を感じることのできるパーツの一つです。しかし、従来のオリジナルパーツを重視しすぎて、使用上の問題や安全面が損なわれてしまっては意味がありません。
ケントではそういった観点からガラスを一つひとつしっかりチェックし、ケガの原因となる恐れのあるものに関しては新しいガラスと交換しております。
アンティーク本来の良さを損なわないようにまた、大きさをしっかり合わせ安全性を高めるよう心がけています。

⑤ 本場英国製のレザートップ
ビューローやデスク、オケージョナルなどのトップに使用されている革は使用頻度がとても高いためどうして磨耗しやすい箇所となっています。
見栄えが悪く、磨耗が進んでいるものに関してはイギリスより特注で直輸入された新しい革を張ります。
本革にこだわり、数少ない英国伝統の技術を有する職人が製造しているレザーですので、仕上がりがとても上品で高級感のあるものになります。
また、エンボス加工やゴールドのライニングは昔から使用されてきたツールや技術によって製造されていますので、当時のレザーとまったく変わらないデザインと品質を実現しています。

⑥ 機能面に至るまでディテールにこだわる
ビューロー本体と天板を接続するアンティーク部分をイギリスではスティと呼んでいますがそのビューローのスティは使用頻度が非常に高いにも関わらず、外側からはあまり見えない部分であり、金属疲労が起き安い箇所となっています。
そういった隠れた機能部分こそケントでは重要な箇所であると考えており、信頼おける本場イギリスのパーツのみを使用し強度を高め仕上ています。

⑦ こだわり抜いた日本の木工技術
ケントのアンティーク家具は全てパーツごとに一旦解体され、問題がないかどうかチェックされてから組み立てられます。
不具合のある箇所に関しては新しい木材を用いて丁寧に補修、補強されます。
イギリスの家屋と違い、床の水平がきっちりと取られている日本の家屋では、家具に対してもぐらつきや傾きがないことが求められます。
ケントのアンティーク家具は日本の家具水準を満たすように組み立てられ、最後は家具専用の水平台に載せられ、最終微調整されます。
Samples of Pinting/Polishing Works
塗装修理工程詳細 ドローリーフテーブル

1.剥離 ペーパー当て
アンティーク家具の状態に合わせてペーパー当てもしくは剥離を行います。使用頻度の高い天板などに関しては綺麗な色が入るようしっかりと剥離、ペーパー当てをおこないます。

2.着色 ステイン
英国王室御用達のマイランズステインを使用してまんべんなく色を入れていきます。

3.着色 ステイン重ね塗り
ステインが乾いた後、天板以外の部分と色が合うまで重ねてステインで着色します。

4.塗装 吹き付け塗装
テーブルの天板など、使用頻度が高く強度を高めたい場合には吹き付けでのラッカー塗装を行います。シェラックニスと呼ばれる天然塗料を刷毛塗りする手法もあり、アンティークの場所、木材の種類によって手法を使い分けます。

5.塗装 全体の吹き付け塗装
リーフ部分を含めまんべんなくムラが出ないよう細心の注意を払い、吹き付け塗装を行います。

6.磨き ワックス掛け
塗装が全て完全に乾燥した後、マイランズワックスで磨き上げていきます。

7.修復 フェルト
リーフを引き出した際にできる引き後ができないように、新しいフェルトを天板裏に張ります。

8.塗装 脚部分
天板部分同様、脚部分も着色、塗装をし最後にワックスで磨き上げます。

9.検品 最終チェック
修理箇所を最終チェックします。稼動部分のその動きがスムーズであるか、塗装の色の風合いが再現できているか、1つの家具として安全で安心して使用できるかなど最終総点検をします。

10.完成