【徹底解説】ERCOL アーコールのクエーカーチェアとは? アンティーク家具 ケントストア ブログ - 2023/9/26 14:00 0コメント イギリスの老舗家具メーカー アーコール(ERCOL)。 1920年、”ウィンザーチェア”の産地であるバッキンガムシャー地方のハイ・ウィカム(High Wycombe)で創業しました。 創業者は、ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)。 ルシアン・アーコラーニは、比較的安価なエルム材を使い、生産性向上のために、木を水蒸気で蒸し弓のように曲げる「曲げ木」の技術を採用し、ウィンザーチェアを機械化により大量生産する体制を確立しました。 ハイ・ウィカムの工場 photo by:ERCOL アーコール社の成功により、ルシアン・アーコラーニは「ハイ・ウィカムの恐るべき男」、自動車の生産体制を確立させたヘンリーフォードになぞられ「ウィンザーチェアのフォード」とまで呼ばれました。 シンプルで機能的、そしてタイムレスなデザインにこだわることで、創業から100年以上たった今でも、アーコールのデザインは、人気を博しています。 アーコール(ERCOL)は、耐久性のある品質、一生ものの家具を提供することに、重きを置いております。 そのため、ヴィンテージのアーコールも非常に価値のある家具、ビンテージ家具の代表格として絶大な人気を誇っています。 アーコール(ERCOL)の作品は非常に多くありますが、今回は、アーコールを代表する椅子『クエーカーチェア Quaker chair』についてご紹介します。 アーコールのラインナップはこちら クエーカーチェア(Quaker chair)とは? アーコールのクエーカーチェア photo by:kentstore クエーカーチェア(Quaker chair)は、アーコールの創業者”ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)”によりデザインされました。 クエーカーチェアは、アーコールが「曲げ木」の技術で、ウィンザーチェアを大量生産することができた最初のデザインの椅子「4a Windsor Kitchen Chair(ウインザーキッチンチェア)」が進化したもので、「4a Windsor Kitchen Chair」の背もたれの部分を、高く、そしてシャープな形にデフォルメしたデザインになっています。 ※「4a Windsor Kitchen Chair」については↓下記にご紹介しております♪ クエーカーチェアの特徴 ①背もたれ アーコールのクエーカーチェア photo by:kentstore クエーカーチェアの最大の特徴は背もたれです。 単一の真っ直ぐな木材から、極限にまで曲げたU 字型の曲木。 アーコールの蒸気による曲木の技術が最大限に生かされています。 そして、座面から放射線状に、背もたれの棒(スティック・スピンドル・スポークとも呼ぶ)が施されています。 スポークの本数は、現行モデルは6本ですが、ヴィンテージのクエーカーチェアは、5本のスポークデザインの椅子が多くあります。 ②座面 アーコールのクエーカーチェア photo by:kentstore クエーカーチェアの座面は、「oyster-shaped seat(オイスター シェプド シート)」と呼ばれる広い楕円の形をしています。 座り心地の良さを実現するために、座板をサドル形に削っています。 ③脚 アーコールのクエーカーチェア photo by:kentstore イギリスで誕生した”ウインザーチェア”の特徴である、脚を座面に直接通したデザイン。 アーコールは、クエーカーチェアなどのウインザーチェアも、その伝統を受け継いでいます。 そして、座面に通した脚は、手作業で研磨することで、美しいラインを作っています。 クエーカーチェアは、H型の貫が接合されており、シンプルですっきりとしたデザインでありながら、強度を高めています。 ブリュッセル万国博覧会出展 クエーカーアームチェア アーコールのクエーカーアームチェア photo by:kentstore クエーカーアームチェアは現在でも販売されているロングセラーのアイテムです。 第二次世界大戦後、はじめての大型博覧会が、1958年にベルギーのブリュッセルで開催されました。 (ブリュッセル万国博覧会:EXPO 1958 BRUSSELS) その中の、「British Industry Pavilion (英国産業パビリオン)」で、アーコールのクエーカーアームチェアが優れたデザインとして選ばれ、展示されました。 クエーカーチェアの原型「4a Windsor Kitchen Chair」フープバックチェア アーコールのフープバックチェア photo by:kentstore アーコールが「曲げ木」の技術で、ウィンザーチェアを大量生産することができた最初のデザインの椅子「4a Windsor Kitchen Chair(ウインザーキッチンチェア)」。 ルシアン・アーコラーニがデザインし、1943年に発表されました。 いわば、現在のアーコール社の原点ともいえるチェアです。 「4a Windsor Kitchen Chair」は、現在「フープバックチェア」という愛称で親しまれています。 アーコールのフープバックチェア photo by:kentstore 現行モデルのフープバックチェアは、背面のスポークが6本ですが、ヴィンテージのフープバックチェアにはスポークが4本もしくは5本のチェアが多くあります。 アーコールのフープバックチェア photo by:kentstore また、座面は「oyster-shaped seat(オイスター シェプド シート)」と呼ばれる広い楕円の形と、ヴァイオリン形のフープバックチェアがあります。 ヴァイオリン形は非常に珍しく、ビンテージの中でも非常に希少なものになっています。 ケントストアだからこそできる豊富な品揃え 英国より入荷のアーコールチェア photo by:kentstore ケントストアは、35年以上にわたり現地イギリスでアンティーク家具を買付しているため、現地のアンティークディーラーとも幅広いネットワークで繋がっております。 それゆえ、入手困難なヴィンテージのアーコールも種類豊富に数多く輸入することが可能です。 今回ご紹介したクエーカーチェア、クエーカーアームチェア、フープバックチェアの他にも、ゴールドスミスチェア、エックスバックチェア、シスルバックチェアなどの椅子、バタフライテーブル、リフェクトリーテーブルなどのテーブル、サイドボードなど、数多くのアーコールのヴィンテージ家具を取り扱っております。 ケントの修理 photo by:kentstore そして、英国より仕入れした家具は、家具産地の静岡にあるケントファクトリーで経験豊富な職人が自信を持って修理します。 家具業界からも認められているケントの修理技術。 必ず満足していただけると確信しております。 ぜひ、ケントストアのヴィンテージ アーコールをご覧いただければ幸いです♡ アーコールのラインナップはこちら 【徹底解説】アーコールのバタフライテーブル(ドロップリーフテーブル) アーコールのドロップリーフテーブル photo by:kentstore ルシアン・アーコラーニが、1950年代後半にデザインした、アーコールを代表するテーブル『ドロップリーフテーブル(バタフライテーブル)Dropleaf Table』。 左右の天板に可変性があるため、さまざまなライフスタイルに合わせてお使いいただけるテーブルです。 バタフライテーブル(ドロップリーフテーブル)についての記事は、ぜひこちらをご覧ください。 ブログ:ERCOLバタフライテーブル 【徹底解説】アーコールのゴールドスミスチェアとは? アーコールのゴールドスミスチェア photo by:kentstore クエーカーチェアと同じく、アーコールでも人気があるゴールドスミスチェア(Goldsmith Chair)。 アイルランド出身の小説家・劇作家のオリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith:1730年-1774年)が所有していた椅子をモデルとしていることから、その名前が付けられています。 シンプルで美しいデザインはもちろん、身体にフィットする曲げ木の背もたれと座り心地の良さは、アーコールの技術力が詰まった逸品です。 ゴールドスミスチェアに関する詳しい内容は、こちらを↓ご覧ください。 ウィンザーチェアとアーコールの歴史、そして『ゴールドスミスチェア』についてご紹介しています。 ブログ:ERCOLゴールドスミスチェア 商品に関すること等、お気軽にお問い合わせくださいませ。 静岡本店 TEL : 054-204-7003 ⬅ スマートフォンの方はこちらをクリック 東京目黒店 TEL : 03-6420-0548 ⬅スマートフォンの方はこちらをクリック Like おすすめ記事 【徹底解説】アーコールのバタフライテーブル(ドロップリーフテーブル) 【徹底解説】ERCOLアーコールのシスルバックチェアとは? 【徹底解説】アーコールのゴールドスミスチェアとは? 関連記事 【プロが伝授】決定版!英国アンティーク家具の上手な選び方 【徹底解説】中世のお皿はパンだった!トレンチャーとは 【イギリスの洗濯事情】旅行や出張での長期イギリス滞在に備えて シャビーシックなアンティーク家具にモデルチェンジ ウィリアム・モリスの作品紹介:ピンパネル 【アンティークの使用実例】コートハンガー ご家庭でも簡単!アンティーク家具のネジ穴 補修方法 1880年代のドローリーフテーブル コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。コメント * 名前 * メール * 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 email confirm* post date* 日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)