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【おすすめ】モリス生地で製作したバルーンバックチェア
優雅で気品漂うチェア。 バルーンバックチェアもその一つです。 1930年代に作られたバルーンバックチェアが、100年の時を経て、静岡にあるケントファクトリーで新たな命を吹き込みました。 今回は、修理を終えたばかりの、バルーンバックチェアをご紹介します。 バルーンバックチェアとは バルーンバックチェア photo by:kentstore バルーンバックチェア(balloonback chair)は、ヴィクトリア女王の統治下(1837年~1901年)で流行したヴィクトリア(ヴィクトリアン)様式の代表的デザインです。 ヴィクトリア様式は、まさに折衷様式(エクレクティック:Eclectic)の時代です。 当時の家具デザイナーは、それまでの様式、スタイルを復古させていきました。 ジャコビアンリバイバル、ルネサンスリバイバル、ゴシックリバイバル、ロココリバイバル、クイーンアンリバイバル・・・ そして
2023.9.15 -
【徹底解説】ミッドセンチュリー 家具の特徴
1945年、世界に未曾有の惨禍をもたらした第二次世界大戦が終結し、世界に平和が訪れます。 戦後、世界で家具デザインをリードしたのは、アメリカ、イタリア、スカンジナビア(スウェーデン、ノールウェー、デンマーク)でした。 戦中からの木材をも含む物資不足とともに、資源不足を補う目的で開発された軍事的影響による技術革新もあり、シンプルながら暮らしを豊かに、穏やかに感じさせてくれる家具が数多く生まれてゆきます。 イギリスでは、第二次世界大戦の空襲により、新しい住居と家具の需要が高まりましたが、木材の不足は深刻な状態に。 1950年代からスカンジナビア諸国から家具が輸入されたのをきっかけに、多くの英国家具メーカーがスカンジナビア風の家具を作り始めたことで、ミッドセンチュリーモダンのスタイルが流行しました。 ミッドセンチュリーとは「1世紀の真ん中」という意味で、1940年~1960年を中心にデザインされ
2023.8.20 -
【徹底解説】エドワーディアン様式 家具の特徴
63年間にわたり女王として君臨し、英国の黄金期を築いたヴィクトリア女王。 ヴィクトリア女王の跡を継いだのは、ヴィクトリア女王の長男"エドワード7世"です。 エドワード7世が、国王に即位した時の年齢は、御年59歳。 在位期間がわずか10年と短いですが、エドワード7世の在位期間(1901~1910年の間)に流行した家具のスタイルを『エドワーディアン様式(Edwardian)』と言います。 曲線的で華やかなデザインのヴィクトリア様式の家具に対し、エドワーディアン様式の家具は、スッキリとシンプルなデザインが多いのが特徴です。 ここでは、『エドワーディアン様式 』の家具デザインについてご紹介します。 Admiralty Arch(アドミラルティアーチ) エドワード7世とは エドワード7世(Edward VII) ヴィクトリア女王の長男として誕生した"エドワード7世"は、長い皇太子時代を経て、1901
2023.8.17 -
【徹底解説】アーツ・アンド・クラフツ様式 家具の特徴
18世紀中頃からヨーロッパ各地で進んだ産業革命。 19世紀に入ると技術革新は急激に発達し、生産基盤は農業社会から工業社会へと転換しました。 家具の生産においても、それまでの手仕事から機械化、分業化により量産品ができるようになりましたが、過去の様式の模倣が多かったり、装飾様式が統一されませんでした。 1880年代、このような機械生産と商業主義に反対し、生活の美と時代の様式を守ろうとする動きがでます。 その中心人物がウィリアム・モリスでした。 ウィリアム・モリスは、産業革命により大量生産された粗悪な商品が広まっている状況を批判、中世の職人により生み出されていた"美しい手工芸の復興"、"労働者の日々の労働のうちにこそ美の喜びは生まれていかねばならない"とし、生活と芸術を統一することを主張しました。 そして、ウィリアムモリスに影響を受けた多数の芸術組織によって、『アーツ・アンド・クラフツ運動(Ar
2023.8.15 -
映画【Barbie】で利用されている ペンキのご紹介
世界で話題沸騰中の映画【Barbie】公開中!! アメリカ合衆国の玩具メーカーが1959年に誕生した、世界的にヒットした着せ替え人形バービーが実写映画化となり、現在話題沸騰中ですね! ハーレイ・クイン役で一躍大人気女優になった'マーゴット・ロビー'がバービー役で、ラ・ラ・ランドの俳優、'ライアン・ゴズリング'がケン役です。 「You Can Be Anything(なりたい自分になれる)」 アメリカ合衆国の玩具メーカーが1959年に誕生した【Barbie】人形 ドール世界に革命を起こし、世界中を熱狂させてきました。オシャレでかわいいだけではなく、常に時代を先回りし、性別や人種、ダイバーシティを表現し「You Can Be Anything(なりたい自分になれる)」 というメッセージを届け、世界中に勇気を与えてきました。今ではバービーを知らない方はいませんね! バービーランド 映画ではバービ
2023.8.14 -
【徹底解説】ヴィクトリアン様式 家具の特徴
ジョージ4世の統治下において流行した『リージェンシー様式(摂政様式)』。 ジョージ4世の跡を継いだのは、ジョージ4世の弟である"ウィリアム4世"でした。 ウィリアム4世は、その時すでに御年65歳。1830年に即位し、在位はわずか7年でした。 次に王位を継承したのはウイリアム4世の姪である"ヴィクトリア"でした。 1837年、ヴィクトリアが18歳にしてハノーヴァー朝第6代女王に即位します。 その後63年間にもわたり、大英帝国の女王として、イギリスを世界の強国に成長させました。 ヴィクトリア女王の統治下(1837年~1901年)の建築物と家具のデザインを『ヴィクトリア(ヴィクトリアン)様式』といいます。 ここでは、『ヴィクトリア様式』の家具のデザインについてご紹介します。 St Pancras station(セント・パンクラス駅) ヴィクトリア女王とは ヴィクトリア女王 ヴィクトリア女王は、
2023.8.10 -
【徹底解説】リージェンシー様式 家具の特徴
1714年に、王位を継承したハノーヴァー朝。 国王として即位したジョージ1世、ジョージ2世、ジョージ3世による統制下のもと『ジョージアン様式』は、チッペンデールの登場などにより、イギリスにおいて家具生産の黄金期を迎えました。 1810年頃から、ジョージ3世は病により意志疎通ができなくなってしまいました。 そこで、ジョージ3世に代わり、息子のジョージ4世が摂政をつとめます。 ジョージ4世による摂政の時代(1811年~1830年)。 短い期間にもかかわらず、家具デザイナーを多く輩出し、活況を呈しました。 この時代の建築、家具のデザイン様式を『リージェンシー(摂政)様式』といいます。 『リージェンシー様式』は、先のミッドジョージアン様式でみられた新古典主義(ネオクラシシズム)のデザインに、さらに優雅さと軽やかさが加わり、気品あふれるものでした。 ここでは、『リージェンシー様式 』の家具のデザイン
2023.8.5 -
【徹底解説】ジョージアン様式 家具の特徴
1714年。ステュアート朝の最後の女王"アン女王"の崩御後、ドイツから迎えられた"ジョージ1世"が王位を継承し、グレートブリテン王国の国王として即位しました。 これが1901年まで続く"ハノーヴァー朝"の始まりです。 ジョージ1世の即位後、それまで絶対的な権力を持っていた王室から、徐々に、権力は議会へと移っていきます。 それにより、議会政治にかかわる階層や職業に就く人が、富を獲得するようになりました。 さらに、植民地の広大、人口の増加、産業革命と、国が力をつけていくと同時に、家具やインテリアの分野においても活気がでてきました。 ヨーロッパの列強国の中で、芸術面・文化面で遅れをとっていたイギリスですが、ここにきて、家具生産の黄金期を迎えます。 ジョージ1世、ジョージ2世、ジョージ3世による治世の時代(1714年から1820年)における建築やデザインの様式を『ジョージアン様式』といいます。 ジ
2023.8.3 -
「工藝を我らに」展覧会のご案内
みなさま、こんにちは。 本日のブログはケントストアのアンティーク家具が展覧会にて使用していただいている様子をご紹介させていただきます。 只今、静岡県掛川市にて資生堂アートハウス様の展覧会「工藝を我らに」を開催中でございます。 内覧会にて、撮影させていただいた写真を皆様にちらっとお見せいたします。 今回は撮影許可をいただきましたので、みなさまが会場へお越しの際に撮影希望の場合は係りの方へうかがってくださいね。 「工藝を我らに」とは [caption id="attachment_35417" align="alignnone" width="640"] 「工藝を我らに」パンフレット[/caption] こちらの展示会は、今回で第二次展覧会の最終展覧会となっており、2015年から始まった資生堂アートハウス様主催のグループ展となっております。 「資生堂が提案する美しい生活のための展覧会」をテーマ
2023.8.1 -
【徹底解説】クイーンアン様式 建築物と家具の特徴
イギリス王室の歴史の中でも、最初で最後といわれている夫婦での共同統治を行った、"ウィリアム3世"と妻の"メアリー2世"。 ウィリアム3世とメアリー2世の間には子がいなかっため、メアリー2世の妹"アン"が王位を継ぎました。 アン女王の統治下におかれた時代の建築物と家具のデザインを『クイーンアン様式』といいます。 ここでは、『クイーンアン様式』の建築物と家具のデザインについてご紹介します。 Hanbury Hall(ハンベリーホール) photo by:National Trust アン女王とは アン(Anne Stuart) Hall 1702年、ウィリアム3世死去すると、同年、アンが女王として即位しました。 1707年には、イングランドとスコットランドを合併し、グレートブリテン王国を誕生させる"合同法"を成立させます。 それにより、アンはグレートブリテン王国(
2023.7.30 -
【徹底解説】ウィリアム&メアリー様式 建築物と家具の特徴
スチュアート朝を開いたジェームズ1世からチャールズ2世の時代に発展した建築や家具のスタイルである『ジャコビアン様式』。 チャールズ2世の次に王位を継いだチャールズ2世の弟"ジェームズ2世"は、建築や家具のデザインに対して、影響を与えることはありませんでした。 『ジャコビアン様式』に続いて、デザインに大きな発展が見られたのは、ジェームズ2世の娘、"メアリー2世"とその夫"ウィリアム3世"による共同統治の時代です。 ウィリアム3世とメアリー2世の統治下におけるデザイン様式を『ウィリアム・アンド・メアリー様式』といいます。 ここでは、『ウィリアム・アンド・メアリー様式』の建築物と家具のデザインについてご紹介します。 サドベリー ホール(Sudbury Hall) photo by:National Trust ウィリアム3世&メアリー2世とは ウィリアム3世(Willem III)とメアリー2世
2023.7.25 -
【徹底解説】ジャコビアン様式 建築物と家具の特徴
1603年。日本では、徳川家康が征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた年。 イギリスでは、チューダー朝の最後の女王である"エリザベス1世"の死後、傍系のスコットランド王ジェームズ6世が"ジェームズ1世"として即位しました。 ここからイングランドにおけるステュアート朝の始まりです。 エリザベス1世には子供がいなかったので、チューダー家と血縁関係のあるステュアート家が招かれたのです。 ジェームズ1世(在位1603年-1625年)の統治下におかれた時代の建築物と家具のデザインを『ジャコビアン様式』といいますが、 広義では、ジェームズ1世が即位した1603年から、ピューリタン革命(清教徒革命)で権力を握ったクロムウェルの時代(1658年)までを『前期ジャコビアン様式』、チャールズ2世の統治下におかれた時代(1660年-1685年)の様式を『後期ジャコビアン様式』といいます。 ちなみに、ジャコビア
2023.7.21
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