「ウェッジウッド」創設者ジョサイア・ウェッジウッドとは アンティーク雑貨 ケントストア ブログ 英国の逸品をご紹介 - 2021/6/22 12:00 0コメント イギリス陶磁器ブランド「ウェッジウッド」 イギリスの伝統的な食器ブランドの一つ、ウェッジウッド「Wedgwood」をご存じの方は多いと思います。 ウェッジウッドは約260年という歴史があり、伝統を守りながらも時代と共に機能性とデザイン性を追求し続けている洋食器ブランドで、世界中の人に愛されています。 今回はこのウェッジウッドの創設者 ジョサイア・ウェッジウッド(Josiah Wedgwood )についてのお話です。 「英国陶工の父」ジョサイア・ウェッジウッド 出典:Wikipedia ウェッジウッド創設者のジョサイア・ウェッジウッド(1730年-1795年)は新たな陶芸技術を開拓し、イギリスの陶芸に大きく貢献しました。 常に新しいものに挑戦してリードする革新的な精神を持っていたジョサイアは、陶磁器を芸術の域までに高め、同時に、より多くの人に芸術を楽しむ喜びをもたらしました。 英国の産業革命の立役者の1人とされる彼の傑出したパーソナリティと周囲に与えた影響力はあまりにも大きくジョサイアほど陶磁器産業の発展に変化をもたらした人はいないといっても過言ではありません。 ウェッジウッド本社のサイトには、イギリスの英語版には彼について知っておくべきことが三つにまとめられています。 1.奴隷廃止制への積極的な活動 2.ビジネス戦略の成功 3.自然科学者ダーウィンとの繋がり 上記3点の具体的な内容を見ていきましょう。 1.奴隷解放運動について 出典:Wedgwood ジョサイア・ウェッジウッドは黒人奴隷解放の運動一つとして Jasper medallion(碧玉のメダル) を製作しました。 メダルの文字には “AM I NOT A MAN, AND A BROTHER?” と書いてあり、Man というのは男性という意味の他に「人間」という意味、Brother というのは「仲間」などといった意味が含まれています。 奴隷として扱われていた人も「同じ人間であり、仲間ではないのか?」と奴隷制度に疑問を投げかける言葉のように見受けられます。 ジョサイアが活動をしていた1700年代後期のイギリスにとって、奴隷制度反対運動というのは世界にとって先駆的なものでした。 イギリスの国内において黒人奴隷が存在し、さらにイギリス植民地の西インド諸島のジャマイカなどでのプランテーション農業では、本国向けの砂糖などが黒人奴隷の労働により生産されていました。 イギリスで制度として変化が加えられたのは1807年の「奴隷貿易禁止」や1833年の「奴隷制廃止」が初めてでした。 またアメリカでは黒人奴隷制度の廃止は30年後の1863年の奴隷解放宣言になり、その他の地域では奴隷解放は1800年代の後半までかかっていたことからも、 ジョサイアの活動がいかに進んだものであったことをうかがえます。 2.ビジネス戦略の成功 出典:BBC 2つめは、ジョサイア・ウェッジウッドは商業的な成功者であるという点です。 現在の社会では当たり前となっている、カタログ、ダイレクトメール、送料無料、返金保証などはジョサイアが考案したといわれています。 なかでも、彼の行ったビジネスの戦略の一つ、貴族や著名人からの商品推薦は、ウェッジウッドが世界トップクラスの陶磁器ブランドへと発展した大きな戦略といえるでしょう。 特にイギリス王室との関係は非常に大きかったと言われています。 1765年に、英国王室シャーロット王妃から、日常で使うためのクリームウェアの食器の製作を依頼されます。 その後王妃は「Queen’s Ware クイーンズ・ウェア(女王の器)」、翌年には「Potter to Her Majesty(女王陛下の陶工)」の称号も拝命します。 王室御用達の食器になったウェッジウッドの食器はヨーロッパ各地の王室の評価も受け、瞬く間に世界中へ広まっていきました。 こうしたエピソードからもジョサイアはビジネスの世界でも戦略的で才能がある人物であったと言えます。 3.ダーウィンとの繋がり 出典:BBC 最後に、チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809-1882)との関係についてです。 ジョサイアとダーウィンが祖父と孫の関係にあるということです。 ダーウィンといえば、すべての生物は長い時間をかけて自然選択を経て進化した、という「進化論」を唱えた人物です。 ジョサイアの娘スザンナは、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの母。つまり、ダーウィンはジョサイアの孫にあたります。また、ダーウィンの妻となったエマ・ウェッジウッドはウェッジウッド2世(ジョサイアの息子)の娘です。つまりダーウィンは実の従妹と結婚したことになります。 ダーウィンは生涯特定の仕事についていなかったと伝えられています。 それはジョサイア・ウエッジウッドの資産や彼の妻の家族からの支援があり研究に集中できたのではないかといわれているそうです。 以上がジョサイヤ・ウエッジウッドについてのお話でした! ケントストアではウェッジウッドの食器を多数そろえております。 静岡本店、東京目黒店へぜひお越し下さいませ。 また、ケントストアオンラインショップもぜひご覧くださいませ。 ウェッジウッドのお買い物ページはこちら Like おすすめ記事 ウィリアム・モリスの作品紹介:ブレアラビット(兄弟うさぎ) イギリス陶磁器ブランド ロイヤルドルトンとは 家具をペンキで塗ってみました!(チャーチチェア編) 関連記事 【英国音楽コラム】実は知られてない?!イギリスの音楽学校事情 ウィリアム・モリスの作品紹介:スネークヘッド(蛇の頭) 【ご使用例】英国アンティークのベントウッドチェアとスツール 修道士のために作られたモンクス・ベンチとは アンティーク家具修理のご案内 チェスターフィールド・ウィングバックチェア William Morris ウィリアム・モリスのパターン(柄)についてのお話 【徹底解説】スピニングチェアとは コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。コメント * 名前 * メール * 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 email confirm* post date* 日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)