【くまのプーさんの故郷】イギリス Hartfield ハートフィールド

- 2023/1/23 8:00
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E. H.シェパード『絵本クマのプーさん』原画
E. H.シェパード『絵本クマのプーさん』原画
photo by:1965年E. H. Shepard, Illustration forThe Pooh Story Bookby A. A. Milne. Courtesy of Penguin YoungReaders Group, a division of Penguin Random House, LLC. © 1965 E. P. Dutton & Co., Inc.


のんびりやで、はちみつやコンデンスミルクの「ちょっとひと口」が大好き。
お人よしで、愛らしい「くまのプーさん」は、世界中の人に愛されています。
東京ディズニーランドには、はちみつポットに乗ってプーさんと一緒にはちみつを探しに行くアトラクション “プーさんのハニーハント” があり、オープン当初は、480分待ちというほどの人気だったそうです。
またフィギュアスケートの羽生結弦選手が、大のプーさん好きということは有名ですね。
プーさんのティッシュケースをいつもリンクに連れてきていました。
羽生選手の演技終了後には、羽生選手のファンによってプーさんのぬいぐるみをリンクに降り注ぐ “プーさんシャワー”が話題になりました。
羽生選手は「いつも変わらないあの表情をみるとリラックスできる。」と好きな理由を明かしています。

現在「くまのプーさん」は、ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)が商標登録をしているため、プーさんというと、ほとんどの人が赤い服を着たプーさんの姿を思い浮かべると思います。ちなみにプーさんが着ている赤い服は、雪が降る中で寒そうにしているプーさんのために、ミッキーマウスが自分の洋服をハサミで切って、プーさんに着せてあげたそうです。
そんな友情エピソードもあることから、プーさんはミッキーマウスと同じく、アメリカで誕生したのでは?と思いがちですが、プーさんはイギリスで誕生しました♪

ここでは、プーさんの誕生、そしてプーさんの故郷イギリス ハートフィールドについてご紹介します。


くまのプーさんの生みの親 A・A・ミルン

ミルンとクリストファーロビンとプーさん
44歳のミルンと6歳のクリストファー・ロビン、そしてくまのプーさん
photo by:1926年 (C) National Portrait Gallery, London.


「Winnie-the-Pooh くまのプーさん」の原作者は、イギリスの作家アラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne 1882年-1956年)です。
ミルンは、頭脳明晰でルックスもよく、何よりも読書が大好きな少年だったそうです。
ケンブリッジ大学に進学し数学を専攻していましたが、学生誌の原稿の執筆にのめり込んでいました。
大学卒業後は文筆家として新聞や雑誌に投稿するなどの活動を始めます。
「PUNCH」(パンチ誌:1841年に創刊されたイギリスの週刊風刺漫画雑誌)の編集もするようになりました。
さらには、ミルンが大好きだった「ピーターパン」の作者ジェームス・マシュー・バリー( James Matthew Barrie 1860年- 1937年) と親交を深め、戯曲を書く劇作家としても活動をし、認められるようになりました。
「くまのプーさん」に挿絵を入れた画家アーネスト・ハワード・シェパード(Ernest Howard Shepard 1879年-1976年)とは、「PUNCH」で一緒に仕事をした仲間でした。

1913年、ミルンはドロシー・ダフネと結婚し、1920年には息子のクリストファー・ロビンが誕生します。
ちょうどその頃、子供のための作品を書いてほしいとの依頼が舞い込むようになります。
そして1926年。 クリストファー・ロビンがテディベアと遊ぶ姿を題材にした作品を書きました。
その作品こそが「くまのプーさん」です。
テディベアは、ミルンがクリストファー・ロビンの初めての誕生日に、ハロッズで購入したものでした。

くまのプーさんは、英語では「Winnie-the-Pooh」と記しますが、Winnieはロンドンの動物園にいた人気者のくま「Winnie」とクリストファー・ロビンがよく訪れていた公園にいた白鳥「Pooh」からきているようです。

1928年、続編「プー横丁にたった家」を出版します。
ミルンと、挿絵画家シェパードが二人で力を合わせて書き上げたプーさんの絵本は、30以上の言語に翻訳され世界的に大ヒットしました。


くまのプーさんの故郷 ハートフィールド

プーさんの故郷ハートフィールド

ロンドンから1時間半ほど南に行った場所。
イースト・サセックス州に「Hartfield ハートフィールド」という村があります。
ミルンが「魔法にかけられた森」と呼んだ場所です。
1925年、ミルンは、ハートフィールドにあるコッチフォード・ファーム(別荘)を購入し、週末はそこで過ごすようになりました。

アッシュダウンの森
アッシュダウンの森 
photo by:classic cottage

ミルン家の別荘はアッシュダウンの森(Ashdown Forest)に囲まれています。
ここがプーさんの舞台になった場所です。
クリストファー・ロビンは、アッシュダウンの森に、晴れの日も雨の日も、ぬいぐるみの動物を連れて森で遊んでいたそうです。
シェパードも、挿絵をつけるためにこの森を頻繁に訪れ、スケッチしたそうです。

E. H.シェパード『クマのプーさん プー横丁にたった家』原画
E. H. シェパード『クマのプーさん プー横丁にたった家』原画
photo by:1957 年 E. H. Shepard, Illustration for The World of Pooh by A. A. Milne. Courtesy of Penguin Young Readers Group, a division of Penguin Random House, LLC. © 1957 E. P. Dutton & Co., Inc.



1.アフタヌーンティーも楽しめる 「POOH CORNER プーコーナー」

ハートフィールドのメインストリートを少しはずれたところに「POOH CORNER 」というお店があります。
プーコーナーは、実際にクリストファー・ロビンが週に一度キャンディを買いに行ったお店です。
1978年にプーさんグッズを揃えたお店としてリニューアルされました。

2022年7月にケントストアのバイヤーがここを訪れました。
その時の記録と共にご紹介します。

自然に溢れたハートフィールドの村はただ歩いているだけでも、本当に魔法にかけられた気分になります。

プーさんの故郷ハートフィールド
ハートフィールドの村
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

早速、看板が見えてきました。
こちらが目印です。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERの看板
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

POOH CORNER プーコーナーに到着。
プーさんとこぶたのピグレットが手をつないでいる姿をかたどったアイアンの看板は、赤レンガの建物とマッチしてとても素敵♡

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERの看板
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERの外観
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

店内にはプーさんとその仲間たちのグッズがたくさん並んでいます。
ディズニーのプーさんグッズが多いですが、シェパードの描くプーさんグッズもあります。
オリジナルが大好きなファンにはたまらないですね。

こちらはオリジナルのプーさん。
マントルピースがイギリスらしいです。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERのグッズ売り場
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

こちらはディズニーのプーさんグッズ。
プーさんの親友ピグレットやお調子者のティガーなど、プーさんの仲間も勢揃いです。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERのグッズ売り場
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

こちらはお菓子のコーナーです。
ここの中から”ROSY APPLE” というキャンディーを購入しました。
イギリスでよく食べられているプラムリーアップルのように、甘さが控えめでさわやかな酸味があるキャンディーでした。
1個4.99£です。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERのお菓子売り場
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナーで販売しているキャンディー
ROSY APPLE CANDY
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

こちらはお手洗い。
重厚感のある黒扉が印象的です。
ケントストア東京目黒店にあるデコルームの扉とそっくり!

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNER Toilet
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

店内のティールームの様子。
多くのお客さんで賑わっていました。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNER ティールーム
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

建物の外へ行ってみましょう。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERの外観
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

自然そのものの美しさを取り入れたイングリッシュガーデンがとても美しいです。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
POOH CORNERの庭
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

いよいよお待ちかね!何をいただこうかな♪
クリームティー、サンドウィッチ、サラダ、スープなど種類も豊富にありました。
こちらがメニューです。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
アフタヌーンティー・メニュー
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

今回は、クリームティーとイギリスの伝統菓子キャロットケーキを注文しました。
一番に目を奪われたのは、何といってもプーさんダイカット型のティーポット。
可愛すぎます♡
そしてプーさんのお皿の上には、プレーンスコーン、クロテッドクリーム、ケントストアでも取り扱っているチップトリー(Tiptree)のストロベリージャムがのっています。
イギリスのクロテッドクリームは、フレッシュで濃厚でスコーンにとてもよく合います。
日本ではあまりお見かけしないので、イギリスに行ったときは絶対に食べたいアイテムですね。
イギリスのスーパーには比較的安価でクロテッドクリームを購入することができます。

プーさんの故郷ハートフィールドのプーコーナー
クリームティとキャロットケーキ
photo by: kent_buyer (2022年7月撮影)

2.Poohsticks Brige プーの棒投げ橋

アッシュダウンの森にあるプーの棒投げ橋
アッシュダウンの森にあるプーの棒投げ橋 
photo by:4travel.jp

プーコーナーからフットパス(遊歩道)で4キロほど行ったところには、「プーの棒投げ橋」という場所があります。
ここは、プーさんたちが川に棒きれを落とし流れてくる速さを競うゲーム”プー棒投げ”をした場所です。


アッシュダウンの森にあるプーの棒投げ橋
 『プー横丁にたった家』より

『ある日のこと、プーとコブタとウサギとルーは、いっしょに”プー棒投げ”してあそんでいました。
みんなは、ウサギの『さあ!』という声を合図に、棒をなげて、それから、おおいそぎで橋の反対側にかけつけると、橋からのりだし、だれのが先に出てくるのかと、まっているところでした。
けれども、その日、川は、とてものんびりしてしまって、ゆきつくところへ着いても、どっちでもいいや、というつもりらしかったので、棒はなかなか出てきませんでした。』

今でもプーの棒投げ橋で、大人も子供も”プー棒投げ”をして楽しむ姿がみられます。
川の流れは、プーたちの時と同じでのんびりしているのでしょうか。


3.Gills Lap ギルズ・ラップ

ギルズラップ
 ギルズ・ラップにあるミルンとシェパードのメモリアル・

アッシュダウンの森の一番高い場所にあるギルズ・ラップには、ミルンが「ギャレオン凹(くぼ)地」と名付けた場所があります。

『プー横丁にたった家』でのプーさんとクリストファー・ロビンの最後の場面。

『ふたりは、なおもあれやこれやについてかんがえつづけながら、やがて森のてっぺんにあるギャレオン凹地と呼ばれている魔法の場所までまいりました。
そして、そこへすわると、全世界が、空といっしょになるところまで、目のまえにひろがっていました。
また、世界になにがあろうとも、ギャレオン凹地にいれば、世界は、ふたりとともにありました。』

・・・という感動の名シーンです。 このシーンでプーさんの物語はおしまいになります。

ミルンとシェパードがハートフィールドのアッシュダウンの森の魔法にかかり、「くまのプーさん」という素晴らしい作品を残してくれました。
同時に「魔法にかけられた森」を世界中に伝えてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
ギルズ・ラップにあるミルンとシェパードのメモリアル・プレートには今なお花束が置かれてます。


プーさんの原画はロンドンV&Aで

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
photo by: kent_buyer (2014年撮影)

シェパードが鉛筆で描いたプーさんの原画は、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に所蔵されています。
博物館の中のプリントルームに行き、名前、住所など記入し手続きをすれば、プーさんの原画を係の人が持ってきてくれて見ることができます。
絵本では使われなったテディベアのスケッチ、アッシュダウンの森で描いたスケッチなど数多く残されています。
シェパードのファンの方はぜひおすすめです!


イギリスが舞台のお話

くまのプーさんの他にもイギリスが舞台になっている作品は多くあります。
ぜひこちらのブログもご覧ください。

ピーターラビットのおはなし初版
初版:ピーターラビットのおはなし

世界で一番有名なうさぎ 「ピーターラビット」
ピーターラビットの誕生、そしてピーターラビットの舞台であるイギリスの湖水地方についてはこちら↓

イギリスの新しい発見をもとめて

ケントストアのバイヤーはアンティーク家具・雑貨をもとめて、イギリス全土を駆け巡ります。
買付の途中には、まだ知られていない場所だったり、レストランだったり、お店だったり・・
そんな発見がたくさんあります。
今後もおもしろい内容のブログをアップしていきますね。
またケントバイヤーのインスタグラムもチェックしてみてください。
きっと新しい発見がありますよ♡

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