タイプライターの歴史とその魅力

- 2021/12/15 12:00
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タイプライターの歴史

1714年、イギリスのヘンリー・ミル(Henry Mill :1683–1771)という人物により発明された「指でキーをたたくことで文字を紙に印字する機械」がタイプライターのルーツだとされています。

1865年、デンマークのラスムス・マリング=ハンセン(Rasmus Malling-Hansen :1835–1890) がハンセン・ライティングボールと呼ばれるものを発明しました。
1870年には製品として世界で初めて商業生産され、これはヨーロッパでは成功を収め、ロンドンのオフィスなどで20世紀初めごろまで使われていましたが、半球の上にいくつもピストン状のものがあってそこに文字が書いてあり、それを押し込むと反対側にある紙にその文字を印字するようになっているものでした。


デンマークのラスムス・マリング=ハンセン
ラスムス・マリング=ハンセン(出典:Wikipedia)

ラスムスマリングハンセンのライティングボール
左:1878年 ハンセン ライティングボールの図案
中央:ハンセン ライティングボール
右:ライティングボールで印字したハンセンの手紙
(出典:Wikipedia)


1867年、ミルウォーキー港収税官のクリストファー・ショールズ(Christopher Latham Sholes :1819-1890年)が考案した機械が手紙のような一般的な書類を作成できるもので、のちに世界中で使われるようになるタイプライターの原型となったものです。
ショールズ氏は幾つかの特許を取得し製品化を進めます。
その製造を請け負ったのが、レミントン社(当時の社名:E. Remington and Sons.)でした。
同社が1874年にが製造したタイプライターは、商業的に成功した初のタイプライターだといわれています。
製品化には時間がかかり、当初の売り上げは決して芳しいものではありませんでしたが、製品の改良と時代の変化によって、まもなくどこのオフィスにもなくてはならないものとなりました。
「タイプライター」という用語が初めて用いられたのもこの製品が最初です。
そして、現在ではパソコンなどでも最も広く普及している文字入力用キーボードのキー配列「QWERTY配列」が最初に登用されました。


クリストファー・レイサム・ショールズとタイプライター
クリストファー・レイサム・ショールズ(photo by gettyimages)

タイプライターの種類

1.Reminton レミントン

レミントン社のアンティークタイプライター

1816年創業の E・レミントン・アンド・サンズ社(E. Remington and Sons.)は、創設者であるエリファレット・レミントンが自分用のライフルを作りそれを見た射撃仲間が彼に同様のライフルを作るように依頼したことが始まりとされ、アメリカ最古の民間銃器メーカーです。
前述の通り、1867年にクリストファー・ショールズより依頼され製造したタイプライターが成功を収め、E. Remington and Sons社のタイプライタ-部門は、レミントン・タイプライター社(その後レミントンランド社)となりトップメーカーに君臨しました。

2.ROYAL ロイヤル

ロイヤル社のアンティークタイプライター

ロイヤル社は、1906年から1970年までタイプライターを製造していたアメリカの老舗です。
ノーベル文学も受賞した、アメリカ合衆国出身の小説家・詩人 アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Miller Hemingway :1899年-1961年)が使用していたとされ、彼は立った状態でタイプライターを使い本を執筆したと言われています。

3.Imperial インペリアル

インペリアル社のアンティークタイプライター

インペリアル社は、1914年、イギリスのレスターで生まれた、イギリスを代表するタイプライター・ブランドです。
英国王室御用達でもあった、まさに社名にふさわしい気品と重厚感にあふれたデザインと佇まいが特徴です。

4.SMITH-CORONA スミス・コロナ

スミスコロナ社のアンティークタイプライター

1886年創業のアメリカのスミス・コロナ社。
コレクターとして知られるハリウッドスターのトム・ハンクスが、オーストラリアの少年にプレゼントしたことでも話題になりました。

5.Underwood STANDARD アンダーウッド・スタンダート

アンダーウッド・スタンダート社のアンティークタイプライター

1896年から1963年まで製造していた会社で、本社はアメリカのニューヨークにありました。
一時は500万台の生産数を誇り、小さなポータブルタイプを発売したことで瞬く間に有名になりました。
その後イタリアのオリベッティ(Olivetti)社に合併吸収されました。

6.Olympia オリンピア

オリンピア社のアンティークタイプライター

イタリアのオリベッティ()に並ぶドイツのブランド OLYMPIA。
ドイツ製らしいシンプルなデザインと重厚なしっかりした造りが特徴です。


7.OLIVER オリバー

オリバー社のアンティークタイプライター

・タイプライター社はアメリカだったタイプライターに本社を置くメーカーです。
オリバータイプライターは、最初の「目に見える印刷」タイプライターと言われ、入力時にテキストがタイピストに表示されていました。
オリバーは1895年から1928年の間に100万台以上、機械を製造し家庭用に大量に販売されました。


8.Seidel&Naumann サイデル・ナウマン

Seidel&Naumann社のアンティークタイプライター

1868年にドイツのドレスデンに設立されました。
非常に短い時間でドイツ最大のミシンおよびタイプライターメーカーになりました。
創業社 カール・ロバート・ブルーノ・ナウマン(Karl Robert Bruno Naumann zu Königsbrück:1844-1903)の孫娘にちなんで付けられたエリカ(ERIKA)シリーズなど人気を博しました。

アンティークのタイプライター

タイプライターの活用術

ルロイ・アンダーソンが1950年に作曲した管弦楽曲「タイプライター(The Typewriter)」で、タイプライターが楽器として用いられいます。
タイピングする音、行の右端近くまで文字をタイプすると「チーン」と鳴る音、紙を固定するシリンダーを次の行に戻す時の操作音など、仕事に追われたオフィスワーカー、忙しいオフィスの情景をユーモラスに描写した曲です。
この曲を聞き感じるは、タイプライターをタイプする音 カチカチ♪パチパチ♬は、とても心地がよく、ずっと聞いていたいと思うほどです。
また、アンティークのタイプライターは、傷、錆の使用感がさらに重厚な雰囲気を醸し出しているため、空間づくりに最適です。
アンティークコレクションにはもちろん、店舗のディスプレイ、撮影用など、アクセントになること間違いございません。

ケントストアでは、上記のメーカーやそれ以外のメーカーのヴィンテージ タイプライターを多数取り揃えております。
ぜひご覧くださいませ。
※ボタンを押していただくと稼働はしますが動作の保証はできませんので、基本ディスプレイ用としてお使いください。 インクリボンの付属がない、またご使用できない場合がございます。


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