【徹底解説】ツイードって?ハリスツイード Harris Tweedや英国発祥のツイードについて詳しく説明 アンティークのある暮らし ケントストア ブログ 英国の逸品をご紹介 - 2023/1/26 18:00 0コメント ケントストアにもハリスツイードで作られた小物がたくさん! 日本も全国的に寒波が押し寄せ、一段と寒さが厳しくなってきました。 今日は、そんな寒さにも負けない!イギリスはスコットランドの羊さんの温もりをリアルに感じられるハリスツイードをはじめとするツイードという生地についてご紹介したいと思います。 冬のシェットランド諸島の羊。寒そうだけど暖かそう! まずはツイードについて ツイードというと、皆さんまず思い浮かべるのはハリスツイード、とかシャネルツイードなどでしょうか? ツイードとは、スコットランド発祥の毛織物の一種です。手で紡いだ太く短く粗い羊毛を平織や綾織で仕上げた分厚い毛織物。最近ではウール(羊毛)以外でも太めの糸でざっくり負った厚手の生地をツイードと呼びますが、本来は耐久性に優れ、機能性も高い素材です。 メンズファッションにヒントを得て女性の社会進出に向けファッションで革命をもたらしたフランスのガブリエル・ココ・『シャネル』はこのイギリスのツイード素材を取り入れたことでシャネルツイードも生まれた、というわけです。 話が少し逸れてしまいました。 ツイードには、このような歴史があります。 ツイードの歴史 ツイードの発祥は18世紀後半と言われています。 地元の農家が羊毛を利用し紡ぎ、染めて織ったことが始まりです。 羊の短い毛やくず糸などで作った紡毛糸です。 毛足の長い原毛を引き揃え短い羊毛を取り除いて紡績したのは梳毛糸(そもうし)ですので、梳毛糸用の余り羊毛というところから始まったのでしょうが、繊維が短いから良くないというわけではなありません。 紡毛糸は繊維がまっすぐではないので、糸の中に空気を多く含み、軽く、ふわふわと弾力性がある糸が特徴です。 スコットランドは、雨が多く寒い地方なので、農作業や狩猟時に着込む作業着として非常に好まれ、保温性はもとより耐久性も良く、洗うほど柔らかくなり風合いとともに身体に馴染んで着心地が良くなっていきます。 スコットランドではもともと「tweel」と呼ばれ、ツイードを作る最もポピュラーな織り方である「twill(ツイル)」のことでした。 言い伝えによると、ロンドンの商人が「tweel」を「tweed」と誤訳し、この生地がスコットランドのツイード川にちなんで名付けられたと考えたのが名前の由来だとも言われています。 1848年、アルバート公がスコットランドのバルモラル城を購入し、バルモラル・ツイードをデザインしたことから、ツイードはイギリス諸島の上流階級の間で流行するようになりました。 狩猟などの野外活動の際には地域の差別化を図るため、高地の各領地では独自の「エステート・ツイード」が作られるようになったそうです。スコットランドらしく、タータンと拡がり方が似ていますね。 短い毛を撚って糸にしていきます。こちらはその前の段階 糸巻きにまかれました!見るだけで暖かそう… ツイード生地を織っています!ミックスの絶妙な色合いが出るのもツイードならではですね…。 ツイードの種類 ツイード生地にはさまざまな製法があり、原料の羊や生産地、織り方の種類や柄などから、様々な種類のツイードがありますが、中でも代表的なツイードの種類をご紹介します。 1.ハリス・ツイード お馴染み、ハリス・ツイード。 スコットランド北岸の群島、アウター・ヘブリディーズ諸島で作られる、ツイードの中でも最も有名と言ってよいでしょう。 法的にも保護されていて、1993年に制定されたハリス・ツイード法によると、 「アウター・ヘブリディーズ諸島の自宅で島民が手織りし、アウター・ヘブリディーズ諸島で仕上げられ、アウター・ヘブリディーズ諸島で染色・紡績された純粋なバージンウールを原料とするもの 」と定義されています。 2.シェットランド・ツイード シェットランド・ツイードは、スコットランド北東部のはるか沖に浮かぶ島々、シェットランド諸島の羊にちなんで名づけられました。 羊毛はスポンジのように、より軽く繊細で、より軽量でカジュアルなツイードが生まれます。 セーターなどのニットとして使われることが多い羊毛なのですが、ツイード生地にした時のジャケットはセーターを着るより暖かくて軽く、個人的にはお勧めのツイードです! 3.チェビオット・ツイード チェビオット・ツイードは、スコットランド・ボーダーズ地域のチェビオット丘陵で採れる羊毛の種類にちなんで名づけられたものです。 他の種類のツイードよりも生地表面にハリと光沢があり、重厚な印象があります。丘陵地帯に生息する羊がたくましく活発な性格だからか、毛質が強いそうです。 4.ドネガルツイード ドネガル(ドニゴール)ツイードは、原産地であるアイルランドのドニゴール地方にちなんで命名されました。 世界で最も人気のあるツイードの一つで、やや粗くゴワッととした表面全体に虹色のようにカラフルな糸の斑点=ネップ(節糸)があるのが特徴です。 5.サキソニー・ツイード メリノ種の羊から作られるサキソニー・ツイードで、もともとはドイツのサキソニー地方で作られていました。 メリノウールの特性上、非常にソフトで滑らかなツイードです。 6.ヘリンボーン・ツイード ヘリンボーンとは、生地表面にV字の模様が出る綾織の崩し織りのことです。 ヘリンボーン柄が魚の骨のように見えることから、この名がついたとも言われています。 7.バーリーコーン・ツイード バーリーコーンツイードの織りは、生地の表面にバーリーコーン(大麦)の粒がついたような効果・表情を見せます。 非常にダイナミックな柄で、少しデコボコした感触があります。 8.オーバーチェック・ツイル オーバーチェック・ツイルは、無地のツイル生地に、対照的な色で大きなチェック柄を描き、ツイード柄を完成させたものです。 ツイードの種類 ツイードの魅力 日本では、色々なファッションブランド(ハイブランドからカジュアルブランドに至るまで)で冬の暖かさを感じさせる素材としてもともと大変人気がありますが、ツイードはお洋服だけではありません。 ケントストアではハリスツイードの小物を取り扱っておりますが、アンティーク家具ととっても相性が良いんです! アンティークならではの年月を重ねた佇まいの家具は、手を入れながら長年愛用することでどんどん風合いが良くなるツイードと同じですね。 代々受け継がれているツイードジャケットや小物があるというのもアンティーク家具と同じです。 岩々と厳しい自然のなかで暮らす羊達にも想いを馳せながら… ツイードは、スコットランドからの心温まる素朴で優しい手触りの贈りものだと思います。 是非ご興味のある方は年季を重ねてご自分ならではのツイード小物を育ててください。 ハリス・ツイードの「オーブ&マルチーズ・クロス」マークは1909年に英国王室から使用許可を得て作られた、⽣地が Harris Tweed ™ であることを認定するハリスツイード協会によるシンボル。 ツイード小物のお買いものはこちら ブログのトップページはこちら ケントストアオンラインショップはこちら 静岡本店 TEL : 054-204-7003 ⬅ スマートフォンの方はこちらをクリック 東京目黒店 TEL : 03-6420-0548 ⬅スマートフォンの方はこちらをクリック Like おすすめ記事 【徹底解説】スコットランドの最北で生まれたフェアアイルニットとは 【徹底解説】アランニットとは?暖かいだけじゃないアランセーターの物語 【プロが伝授】決定版!英国アンティーク家具の上手な選び方 関連記事 【スタッフおすすめ】座り心地と希少性を重視!おすすめチェア! 【徹底解説】ウィリアム&メアリー様式 建築物と家具の特徴 ウィリアムモリスの歩んだ軌跡 vol.1 ウィリアム・モリスの作品紹介:ブレアラビット(兄弟うさぎ) ロッキングホース 【英国音楽コラム】ビートルズの再来と称賛されたOne Direction 【コンテンポラリーアフタヌーンティー】セミナーイベントレポートをお届け 【徹底解説】リージェンシー様式 家具の特徴 コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。コメント * 名前 * メール * 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 email confirm* post date* 日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)