23rdアニバーサリー企画『MYLANDS 塗装総合ワークショップ』イベントレポートをお届け
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23周年アニバーサリー企画の中の一つ、アンティーク家具の塗装のノウハウをお伝えするワークショップを開催しました。

2025年10月12日(日)、 アンティーク家具ケントストア静岡本店 のケントファクトリーにて「MYLANDS 塗装総合ワークショップ」を開催しました。
2002年10月にスタートいたしました(株)ケント及びケントストアは、今年で創業23周年を迎えます。
23年目の今年は、3月にケントストア静岡本店、工場(ケントファクトリー)のリニューアルオープン、4月のケントサロン東京の新規オープン、そして今月、ケントストアホームページとオンラインショップのリニューアルと大きな節目の年となりましたため、創業月の今月、『ケント完全リニューアル感謝祭』として10月11日(土)~26日(日)まで、各店舗で様々なイベントを開催しております。
なかでも工場(ケントファクトリー)と併設しておりますケントストア静岡本店では修理や製作、お菓子作りなどのワークショップやセミナーを7種類も開催!
本日は12日(日)14時~行いましたMYLANDS 塗装総合ワークショップの模様をほんの一部ですがお届けしたいと思います。
まずはMYLANDSについて

ケントストアでは、アンティーク家具を修理する際の主な材料はすべて英国より直輸入しております。
塗装におきましては、英国内のアンティーク家具修復用塗料・ワックスの分野においては最大のシェアを誇り、本場英国のアンティーク家具修復士も絶大な信頼を寄せるMYLANDS マイランズ社の塗料を使用しております。
マイランズ社は、1884年創業の老舗塗料メーカーで、数多くの英国家具メーカーやアンティークディーラーから支持されているだけでなく、BAFRA(英国アンティーク家具修復協会)からも、アンティーク家具修復における最適な塗料として推奨されています。
またマイランズ社の塗料やワックスは英国王室からも認められ、1985年からは英国王室御用達となり、伝統と歴史あるウィンザー城や博物館でもメンテナンスとアフターケアに使用、信頼を受けています。
マイランズ社のステインやワックスの品質を実感していただける場ともなるはず。
今回のワークショップは、木工修理後の塗装の工程を一連の流れでご覧いただきます。
木工修理を終えたベントウッドチェアに着色(ステイン)をし、ニスをかけ、最後はワックスで仕上げる…という塗装の工程を詳しく解説しながらデモンストレーションいたしました。講師はケントファクトリーの職人が務めます。
ステインで着色

本来、木は酸化することで自然に濃い色になっていきます。その経年変化がアンティーク家具の魅力となっていくわけですが、繰り返し修理して未来永劫に残していくためには木工修理の段階で表面を削らなければならない工程が出てくることがあります。
また、塗装をやり直し、最後に塗膜を作ることで木の乾燥やキズ、汚れから守り直すこともできます。
そのように前にされていた塗装をはがした後は、木の質感を損なわずに年季を出すことができるステインを塗布します。

ここでは刷毛で塗布するときの、ケントファクトリーの職人ならではの裏テクも。

刷毛でステインをまんべんなく塗布した後は、しっかりと拭きとっていきます。
マイランズ社のステインは、油性のオイルステインではありますが、早く乾くように、また現代の塗料(ラッカーやウレタン)との相性も良いように開発されておりますので、乾燥時間があまり必要ありません。
ニスで塗膜をつくります

ニスで塗膜を作るには刷毛で塗布する方法と布製のパッドで何層も重ねていくフレンチポリッシュの方法があります。
今回はこのフレンチポリッシュの方法をデモンストレーション。
マイランズ社のニスは手作業によって作られた最高級の天然シェラックを原料に使い、溶媒のアルコールの品質にもこだわった最高級のポリッシュです。
ステインとの相性も良く、特にアンティーク家具らしい仕上げになる=現代の塗料では出すことのできない温かみのある色・艶・風合いを出すことができるのが特徴です。

布でくるんだパッドをつくり、そのパッドにアルコールで薄めたニスをしみこませ、余分なニスをたたいて落としたあと、撫でるように塗っていきます。 日本ではタンポ擦りといわれていて漆塗りでも行われている技法ですが、薄く重ねていくことで、しっかりと塗膜が作られます。

マイランズ社のシェラックニスはどのようなニオイでしょう??

塗り残しがないか、ライトを当ててお客様にも確認していただきます。
何層にも重ねていくと艶が出てきました。
お客様に表面感を実際に触ってご確認いただいています。
仕上げのワックスがけ、プロのかけ方を伝授
ニスの塗布が終わりました。ここからは家具を美しく保つためのワックスがけについてプロの仕上げ方をデモンストレーションいたします。

アンティーク家具用ワックスを塗ると塗膜(ニス・ラッカー)が保護されいつまでも美しい状態をキープしていただけます。
ワックスを塗ることで艶を出し、木材に対しても栄養と潤いを与え、塗装部分にも膜ができ、傷や水気から家具を守ってくれます。
こちらマイランズ社のワックスは1880年代から変わらぬ製法で製造され、原料には最も純度が高く硬度のある『天然のワックス(蜜蝋、カルナバ蝋、シェラックワックス)』を原料に使用しており、 その中でも特に高級なカルナバ蝋を多く含んでいます。
天然植物からとれる蝋の中でも、ヤシ科のブラジルロウヤシの葉からとれるカルナバ蝋は、艶・光沢・硬さに優れており、他の油性原料をまとめる硬度調整の機能が高い蝋です。ブラジルロウヤシは、ブラジル北東部に生息するヤシ科の木で「生命の木」とも言われているとか。
マイランズ社のワックスはその質の高さと汎用性の高さが、100年以上経っても修復士に愛用される理由です。

ワックス専用ブラシ(刷毛)でワックスをまんべんなく塗布していきます。 ワックス専用ブラシはケントファクトリーのアレンジで生まれたもので、その使い勝手の良さをお伝え。
最後の磨き上げもブラシで仕上げます。靴を磨くように力と心を込めてブラッシングします。そうするとツヤツヤに!

ステインを塗ってみたいけど、下処理はどこまでやったら良いの?
ニスを塗るときにはどうやったら厚ぼったくならずに塗れるのか?
ワックスをかける頻度はどのくらいがベスト?
今回ご参加いただいたお客様は、日頃からアンティーク家具をとっても大切にしていらっしゃるご様子で、ご質問もたくさんにいただき、職人も流れるような手つきで工程を進めながらお話をたくさんさせていただき、大変濃い1時間20分でございました。
塗装の工程を知っていただくことで、ご自身のアンティーク家具に何が必要か?を見つけていただけるケントファクトリーのワークショップでございます。
今週末18日(土)にも開催いたします。ぜひ、皆様ご参加くださいませ!!
ケントストアより 最後に
12日に開催いたしましたモリスの壁紙やMYLANDSの塗装ワークショップは初のケントファクトリーイベント&ワークショップでございましたが、 皆様、様々にお楽しみいただけましたようでございます!
ご参加いただきました皆様、まことにありがとうございました♪
ケント完全リニューアル感謝祭の今月は、まだまだ今週末と来週もイベントをたくさん開催予定でございます。
ぜひ以下より、今後のラインナップをご高覧くださいませ。

今週は…
◎マイランズ塗装総合ワークショップ
ロイヤルワラントの称号を持つマイランズ社の製品を使い、アンティーク家具の塗装の基礎を体験できるワークショップです。
場所:静岡本店(ケントファクトリー)
開催日時: 10月18日(土)11:00
🍪イギリスのお菓子『フラップジャック』を焼いてみよう
香ばしいオーツとバターが香る、イギリス菓子フラップジャック作りを体験できるワークショップです。
場所:静岡本店 ケントデリキッチンスタジオ
開催日時:10月17日(金) 13:00
◎プロが教えるワックスのかけ方
ケントファクトリーのマイスターが、家具を美しく保つためのワックス仕上げについて実演を交えながら丁寧にレクチャーいたします。
場所:静岡本店(ケントファクトリー)
開催日時:10月18日(土)・19日(日)
◎マイランズ「カラーズオブロンドン」お試しワークショップ
ロイヤルワラントの称号を持つマイランズ社の塗料「カラーズオブロンドン」で、アンティーク家具の塗装を体験できるお試しワークショップです。
場所:静岡本店(ケントファクトリー)
開催日時:10月19日(日) 11:00
◎アンティーク家具修理セミナー これまでの修理点数10,000点以上、ケントファクトリーのプロマイスターによるケントのこだわり修理を実演を交えてご紹介いたします。
場所:静岡本店(ケントファクトリー)
開催日時:10月25日(土)11:00
今回のイベントはオンラインショップの会員にご登録いただくだけで、皆様無料でご参加いただけます!
ケントの完全リニューアル感謝祭、引き続きぜひお楽しみください☆
また、ケントストア静岡本店、ケントサロン東京にお気軽にお立ち寄りください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。
ケントの完全リニューアル感謝祭イベントに関する詳細はケントストアのインスタグラムからメッセージ、またケントストア静岡本店へお問い合わせくださいませ。
◆インスタグラムはこちらをクリック
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