ウィリアム・モリスの作品のご紹介!
今回は「兄弟うさぎ(Brer Rabbit or Brother Rabbit)」についてのお話です。
「兄弟うさぎ(Brer Rabbit or Brother Rabbit)」は、1882年にモリスがインディゴ抜染による生地制作のためにデザインした作品です。
インディゴ抜染といえば、いちご泥棒もそうですが(いちご泥棒についてはこちらをクリック)、モリスが理想を求めて追及した染色法です。
インディゴ抜染法は、最初に全体を無地で染めた後、絵柄のパターンに合わせて、色を変えたい部分を抜き、新しい色を一色ずつ足していくという複雑な作業工程で、高度な技術と長い日数が必要でした。
モリスはアニリンの化学染料を嫌い、インディゴなどの天然染料を使って理想とする色を表現したのです。
モリスは、それを完成させるために染色に適した川が近くにある広大な敷地の作業場を、新しく設けたほどです。(マートン・アビー工房)
兄弟うさぎ(Brer Rabbit or Brother Rabbit)は、モリスが2人の娘に読み聞かせていたジョーエル・チャンドラー・ハリス(Joel Chandler Harris:1848年- 1908年)の作品「リーマスおじさん (Uncle Remus)」の話に出てくる賢いウサギ(Br’er Rabbit)にちなんで名付けられました。
草花、鳥、うさぎが左右対称の鏡合せ模様にデザインされています。
鳥やうさぎを描いたのは、モリスの友人で建築家フィリップ・スピークマン・ウェッブ(Philip Speakman Webb 1831年-1915年)といわれています。
フィリップ・スピークマン・ウェッブは、レッドハウスの設計者でもありモリス商会のメンバーでもありました。
兄弟うさぎの初期の作品は、インディゴ抜染による濃紺と白のパターンと、半インディゴ抜染による青の濃淡で表現されていました。
その後、赤、黄色の色調を用いて作られました。
ブレアラビットはディズニーランドにいる?