バルバスレッグ・アームチェア
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明日は、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日ですね。ワインファンの皆さんの中には、年に一度のこのイベントを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
今日はワインとつながりの深いバルバスレッグについてお話しします。
ワインとバルバスレッグ
イギリスアンティーク家具に良く見かけられる装飾の一つにバルバスレッグ(ブルバス、ブルボーズとも)があります。
バルバスとは球根型を表し、膨らんだ球根の様なフォルムに草花や果物などが描かれている家具を多く見かけます。
このバルバスレッグは、イギリス繁栄の基礎を築いた女王エリザベス1世の時代に流行したと言われ、彫刻はイギリス繁栄への願いを込めて作られたとされています。
イギリス家具の歴史には歴代の王の存在が切っても切り離せない存在です。その時代の王の好みというのが、家具やそれ以外のプロダクトにも大きく反映されています。
一説によれば、バルバスレッグの膨らみを聖杯、葡萄の模様をキリストの血に見立て、王朝の永遠を祈念したとも言われています。
私自身この職業に就くまでは、まさかヨーロッパの歴史の在り方を家具から学ぶことが出来るとは思ってもみませんでした。
ワインの歴史はご存じのようにとても古く、初めて文献に登場したのが紀元前2000年頃と言われているそうで、日本人にはあまり馴染みのない言葉ですが、イエス・キリストの言葉に「パンはわが肉、ワインはわが血」という言葉があります。
中世ヨーロッパでは、キリスト教の普及と共にワインが各地へ広がったとされ、キリストはワイン(葡萄)を自身の血と表し、聖杯(杯)にて弟子達に分け与えたと言います。
写真のアームチェアも、バルバスレッグの重厚感と大胆さとともに、背面には大きな花の彫刻があしらわれ、座面は上質な馬の滑革、などアンティークらしさを存分にご堪能いただけます。 バルバスの彫刻が、レッグ部分以外にアーム下部にも使用され、オーク材の暖かな風合いもお楽しみいただける何とも贅沢なチェアです。
家具に込められた祈りや歴史を感じながら、至福の時間を過ごすというのも良いですよね。
ワインの味わいも、また格別なものとなるのではないでしょうか。
華やかでありながら存在感に威厳すら感じられるこちらのチェアは、素材の良さやこだわりを追い求めている大人の方に、是非お勧めしたい逸品です。