【英国音楽コラム】ロンドン随一のデンマーク・ストリート

- 2023/3/21 16:00
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英国音楽コラム第8回【イギリス音楽のルーツ】

 

皆様、こんにちは。
今日のブログは、【イギリスの音楽の話】を紹介していきます。

前回は英国ギターメーカーへフォーカスについてお話ししましたが、今回は楽器の街についてお話していきます。

静岡で楽器の街といえば、浜松市。

浜松は、天竜川へ運ばれた木材と山からの乾いた風によってピアノや楽器作りに適していた街だったようですが、

(ちなみにYAMAHAはロンドンにも出店しております…!さすが静岡が誇るYAMAHAです…)

イギリスで楽器の街といえば、みなさん思い浮かべるのは「」ではないでしょうか。

 

Save Soho!

 

イギリスでパンクロックが流行った1970年代は、これまでの綺麗なミュージックシーンをがらりと塗り替える強烈なものでした。

ロンドンの中心地にあるデンマーク・ストリート。

・ストリートはそんな背景がぎゅっと詰まっているかのような街なのです。

デンマーク・ストリート
・ストリートの様子
photo by:Wikipedia

 

音楽出版社、リハーサルスタジオ、レコーディングスタジオ、クラブなどがありましたが、現代ではその姿はほとんどなく寂しい街になってしまいました。

・ストリートはわずか数百メートルですが、時代を象徴する多くのアーティストが集結していた時代があったのです。

数年前のデンマーク・ストリートは、数店がわずかに残っているのみで、ほとんどの店が撤退。

なんと、再開発で高級マンション街になる予定だったのです。

今後他の地域もこのようなことになれば、世界的問題にまで発展する衝撃的なニュースでした。

「絶対守らないといけない。」パンクロックファンだけでなく多くの人がそう感じたのでしょう。

有名アーティストやロンドン市長はじめ保全活動が始まりました。

 

その名も「セイブ・ソーホー」

 

・ストリートを含むソーホー地区全体の保全を目指す運動として名付けられました。

現在でもデンマーク・ストリートだけでなくソーホー地区全体の保全活動は続いています。

文化的背景をもった人々が暮らしてきた街、ロンドン随一の街が「ただの街」になってしまう、と。

2020年のロックダウンで多くのお店の存続に危機があり、古い建物を壊し新しく開発しようとする声もある中、

守ろうと戦うひとがいます。

音楽のカルチャーも深いソーホーですが、ほかにも様々なカルチャーがごちゃ混ぜになるソーホーの街は

バーや様々なショップが並び「世界の縮図」とも言われるほどです。

老舗のバーも多く、ロックスターや多くの有名人に長く愛されファンが途絶えなかった街だったことが分かります。

ソーホーの周辺、ウエストエンド地区では約12億ドルを投じて再建する計画が進んでいるようです。

17世紀の建物の外観が再現され、将来有望なアーティストのみ使用できるスタジオや、10棟以上の建物をつなげて新しくホテルとしてリニューアルするものもあるとか。

 

人との繋がり

デンマーク・ストリート内楽器屋
・ストリート内楽器屋
photo by:Wikipedia

 

日本人よりもイギリス人は物を大切に使う、というよりも人との繋がりや自分と育った街への繋がりを大切にする文化があるのでしょう。

様々なカルチャーが渦巻く中自分も表現をしながら居場所をつくるため生きてきた、そんなソーホーの生き様のようなものが

現代も自然と受け継がれているのですね。

新しいカルチャーも素晴らしいですが、その土地に根付いているカルチャーを重んじる心を持っていることも大切ですね。

「アンティーク家具は中古の家具」というイメージがあるかもしれないですが、家具の歴史や時代の歴史を紐解くと、見えなかったものが見えてくるかもしれませんね。

実は、静岡店に来てくださるたくさんのお客様の全員が、アンティークが好きというわけでもないんですよ。

イギリスの歴史が好き、家具の色が好き、食器を集めるのが好き、古いものに囲まれるのが好き。

本当に様々な「好き」に出会えます。

 

ケントストアの家具はバイヤーが一点一点選定し、日本へ輸入され工場の職人によって一点一点丁寧に修理をしています。

今回のブログを読んで、歴史ある街が無くなってしまうかもれないさみしさに胸がいっぱいになった方もいらっしゃると思います。

ぜひ、ケントストアにてアンティーク家具をご覧になってください。

現代にも美しい姿で生きている家具があることにきっと喜びを感じてくださると思います。

 

さて、本日は皆様に少々訴えかけるような内容になってしまいましたね。

イギリスのアンティーク家具に携わる一人として、どうかソーホー地区がこれからますます発展することを願うばかりです。

次回も、イギリスの音楽文化について更新していきますので、どうぞお楽しみに。

 

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