アール・デコなディスプレイキャビネット

- 2021/5/13 18:00
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アール・デコ様式 アンティークのディスプレイキャビネット

クラシックなアンティーク家具が並ぶ中で異彩(?)を放つのがアール・デコ様式の家具や雑貨達です。
本日はその中でも「とってもアール・デコ」なディスプレイキャビネットをご紹介します♪

ディスプレイキャビネット

アール・デコ様式とは

1890年代から1900年代にかけて、自然をモチーフとした華麗な流線デザインを特徴とするアール・ヌーヴォースタイルが登場・流行~発展しつくした感が出始めると、新しい時代に向けその反動もいえる「未来的なデザイン」を模索し始めます。
自動車・飛行機などに始まる各種の工業化に伴い、文明の象徴である「機械」を想像させる装飾を排除した機能的・実用的なフォルムがデザインとして多様化したのがアール・デコです。
1910年代後半から第一次世界大戦後の好景気を背景に富裕層を中心に人気を博したアール・デコ様式は、直線的な幾何学デザインを特徴としています。
ダンスや音楽、ハリウッド映画などジャズ・エイジに象徴されるグラマラスできらびやかなデザインとともに、1922年にエジプトでツタンカーメンの墓が発見されたこともあり、出土した装飾品や家具などから3000年以上前の古代デザインにも注目が集まっていきます。
未来を志向するスマートでスタイリッシュなアール・デコデザインに世界中が魅了され大流行。
1920年代後半から着工したニューヨークのクライスラービルディングは代表的なアールデコ・様式の建物です。

アールデコサンプル
左上からサヴォイホテル(ロンドン)、ミッドランドホテル(ランカシャー、モアカム)。
左下からアールデコのインテリアイメージ、フローリンコート。右はニューヨークのクライスラー・ビルディング(ニューヨーク)
※サヴォイホテルとミッドランドホテル、フローリンコートは後述するポワロのドラマシリーズに登場いたします。


逆台形のシルエット!

さて、こちらのディスプレイキャビネットはまさしくアール・デコの象徴のような逸品。
私はアガサ・クリスティーの小説が好きでドラマの「名探偵ポワロ」もよく観るのですが、最初の作品『スタイルズ荘の怪事件』の小説が刊行されたのが1920年。まさにポアロが名探偵として活躍したのはアール・デコの時代なのです。
1シーンごとに見逃せないくらい、建物から家具、女性のファッション(主にジュエリー)までアール・デコ様式がたくさん登場します。
「シンメトリー」もアール・デコのテーマのようなものだと思うのですが、こちらのディスプレイキャビネットは全体のフォルム、ガラス扉の上部に描かれた金のラインと下部のモールガラスのストライプ…。全て条件を満たしております。
個性が強いように見えるのですが、ウォルナットのあたたかな色目と柔らかな木目が見事に調和していて、インテリアにも程よく馴染むと思います。

ディスプレイキャビネット詳細
ウォルナットの美しい木目!見とれてしまいます。
※ウォルナット材…マホガニー材がポピュラーになるまで、ウォルナット(クルミ)とオーク(樫)が家具材では主流でした。
ウォルナットはゆっくり成長するため木目は締まっています。オークより歪みや収縮も少ないので寄木細工などにも用いられ高級家具にも多く見受けられます。



   

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