広がる田園風景と心ときめくアンティーク家具に出会う場所 – The Queens Arms
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イギリスの南西部サマセット州にある丘陵に囲まれた小さな村、コートン・デナム(Corton Denham)。
その風景に溶け込むように佇むのが、歴史と趣を感じさせる
ホテル 「ザ クイーンズ アームズ(The Queens Arms)」 です。
The Queens Arms の客室はわずか10室しかなく、まるで自分だけの隠れ家にいるかのような特別な空間が用意されています。
訪れる人は日常を忘れ、静けさと豊かさに包まれたひとときをゆったりと過ごすことができます。
そして、このホテルの大きな魅力のひとつが、アンティーク家具を巧みに取り入れたインテリアです。
ここでは、この The Queens Arms の魅力的なインテリアと、アンティーク家具の美しい調和に焦点を当て、日常の暮らしに取り入れられるアイデアをご紹介します。
英国の田園ホテルに宿泊しているかのような気分で、家具選びやインテリアコーディネートの楽しさをワクワクしながら感じていただけたら嬉しいです。
photo by:The Queens Arms
アンティーク家具で彩る、寛ぎの空間
◆Living

photo by:kent buyer
まずは、リビング。
その中でひときわ存在感を放つのが、バトラーズテーブル(Butler’s Table) です。
バトラーズテーブルとは、その名の通り、執事(バトラー)が紅茶やお酒、食事などを運ぶために使っていた折り畳み式のテーブルのことで、18~19世紀の英国上流階級の邸宅で愛用されていました。
天板の縁が立ち上がる構造になっており、グラスやティーカップが滑り落ちない工夫が施されており、実用性と美しさを兼ね備えた英国らしい家具です。
このバトラーズテーブルがリビング空間の中心的存在として配置されています。
そしてバトラーズテーブルを囲むように、グレーの布張りのコーナーソファが置かれ、落ち着いた色合いがさらにテーブルの存在感を引き立てています。 バトラーズテーブルの下には、深紅を基調としたペルシャ風カーペットが敷かれ、豊かな色彩と繊細な模様が空間全体に温かみを添えています。
色や素材の異なる家具がバランスよく配置されているため、英国のカントリーコテージのような、親しみやすくもエレガントな雰囲気が完成しています。
またバトラーズテーブルがあることで、ただのダイニングではなく、「もてなしの心」を感じさせる英国らしい特別な空間が生まれています。
◆Dining

photo by:kent buyer
リビングと共通の空間にあるダイニング。
ダイニングにはパイン材を使用した円形のテーブルが配置され、柔らかな木目と温かみのあるライトブラウンの色合いが、空間全体に親しみやすい雰囲気を与えています。
円形のテーブルは、家族やゲストとの会話を自然に促す効果があります。角がないため座る位置を選ばず、皆が平等に向き合えるので、食事の時間をより和やかで心地よい時間にしてくれます。
テーブルを囲むのは、オーク材のアンティークチェアです。
クラシカルなデザインを生かしつつ、落ち着いたライトブラウンの合皮に張り替えられたチェアは、快適さと上品さを備えています。
テーブルとチェアの異なる木材の色や質感が、程よいコントラストとなり、英国田園風のクラシカルな空間に深みをプラスしています。
床やカーペット、周囲のアンティーク家具とも調和し、落ち着きながらも華やかさのあるダイニング空間が完成されています。
ここでのひとときは、食事を楽しむだけでなく、インテリアとして参考にしたくなる美しい空間です。
清潔感とクラシカルが調和した寝室空間
◆Bedroom 1.

photo by:kent buyer
The Queens Arms の寝室は、白いシーツが清潔感を演出し、柔らかなライトグレーのベッドフレームが落ち着いた雰囲気を作り出しています。
ベッドサイドにはワードローブが配置され、収納と空間のバランスが美しく保たれています。

photo by:kent buyer
寝室の一角には、マホガニー材のデスクが配され、その上にはオーク材のスタンドミラーが置かれています。
落ち着いた木の質感が調和し、上品で実用的なアクセントとなっています。
スタンドミラーを組み合わせていることで、デスクはドレッサーとしても活用でき、身支度の時間を優雅で心地よいひとときに変えてくれます。
そしてデスクに合わせられた椅子は、エンボス加工が施されたベントウッドチェアです。
長い年月を経て程よく年季が入り、木肌には歴史を感じさせる深みがにじんでいます。
その落ち着いた風合いが室内のトーンと調和し、より趣のある雰囲気を演出しています。
◆Bedroom 2.

photo by:kent buyer
もう一つの寝室は、「Bedroom 1.」と同じ床・壁、シンプルなベッドが配されています。
その空間に置かれているのは、アンティークのワードローブとシュバルミラーです。
どちらも存在感のある家具ですが、カジュアルで明るめの室内にしっくりと馴染み、アンティークならではの味わいを添えています。
重厚すぎず、日常に取り入れやすいバランス感があり、『暮らしの中で楽しむアンティーク』 の魅力を感じさせてくれる寝室です。
併設のレストラン

photo by:kent buyer
The Queens Arms に併設されたレストランは、18世紀の趣を感じさせる空間で、宿泊客はもちろん地元の人々にも愛される場所です。
アンティーク家具と温かみのある照明が配され、訪れるだけで英国田園の邸宅に招かれたかのような気分に浸れます。
テーブルには、英国アンティークの代名詞ともいえるドローリーフテーブルやゲートレッグテーブル、オケージョナルテーブルが使用され、それぞれ異なる形や機能を持ちながらも空間全体に統一感をもたらしています。
ドローリーフテーブル、ゲートレッグテーブルは、天板を拡張できる機能性があり、少人数でも大人数でも対応可能です。
オケージョナルテーブルは、軽やかで可動性が高く、食事やティータイム、ちょっとした作業にも便利なテーブルです。

photo by:kent buyer
テーブルを囲む椅子や座席は、オークチェアやウィンザーチェア、スツール、そしてチャーチベンチまでバリエーション豊かに配置されています。
チャーチベンチは、もともと教会で使われていたベンチで、長年の使用によって生まれた木の深い色合いや風合いが、空間に重厚感と温かみを添えています。
背もたれや座面のシンプルながらクラシカルなデザインは、どんなテーブルにも自然に馴染み、英国田園らしい落ち着いた雰囲気を演出しています。
ベンチだからこそ複数人で座れるため、家族や友人と一緒に食事やお茶を楽しんだり、談笑したりするのに最適です。
座る人同士の距離が自然と近くなることで、会話が弾み、食卓がより和やかで親密な空間になります。

photo by:kent buyer
テーブルを囲む椅子のひとつ、ウィンザーチェアは、17世紀にイギリス南東部のウィンザー地方で、ろくろ職人や農民のために作られてきた実用家具が起源です。
軽やかで頑丈な構造と、細やかな背もたれのデザインが特徴で、長年にわたり英国の家庭や公共空間で愛用されてきました。
The Queens Arms のレストランでもこの伝統あるウィンザーチェアが使用されており、歴史と風格を感じさせながらも、軽やかで快適な座り心地を提供しています。

photo by:kent buyer
レストランの壁には、イギリスではよく見られるコンベックスミラーが飾られています。
コンベックスミラーとは、凸面のガラスで作られた丸い鏡のことです。
凸面ガラスの特性により視野を広く見せることができるため、狭い空間でも奥行きを感じさせる効果があります。
コンベックスミラーは、18~19世紀の英国邸宅で人気となり、当時は上質なインテリアのステータスとして置かれていました。
丸みを帯びた鏡面は、光を柔らかく反射し、室内を明るく開放的に演出します。
さらに、鏡に映る景色や人々の姿がゆがむことで、見る角度によって表情が変わり、遊び心や美的な楽しみを添えてくれます。
アンティーク家具やクラシカルなインテリアと組み合わせることで、単なる装飾以上に、歴史と趣を感じるアクセントとして空間を引き立てています。
💡異なる色や素材を美しくまとめるコツ
The Queens Arms では、色や素材が異なる家具や装飾品が多くあっても、空間全体が自然に美しくまとまっています。
その秘訣は以下の通りです。
🟤トーンの統一:濃すぎず明るすぎない落ち着いた中間色や渋めのトーンをベースにしているため、複数の色があっても自然に調和します。
🪵素材感のバランス:硬質なマホガニーやオークの木材、柔らかな布張りのコーナークッション、ペルシャ風カーペットなど、素材の違いを組み合わせることで、色の違いがむしろ空間の深みや温かみを生み出します。
🔴アクセントカラーの巧みな配置:深紅のカーペットやグレーの布張りコーナークッションなど、差し色を適度に取り入れることで、色や形のアクセントとして効かせつつ、統一感を保っています。
🎨形やデザインの統一感:家具や小物の形をクラシカルなスタイルで揃えると、色や素材が違っても空間にまとまりが生まれます。たとえば、丸みを帯びたチェアや曲線のあるテーブルなどデザインの系統をそろえることで、見た目に違和感がなくなり、空間全体が上質で落ち着いた印象になります。
今回ご紹介したThe Queens Arms のインテリアは、ほんの一部にすぎませんが、色や素材の組み合わせ、家具の配置、アンティークとカジュアルの融合など、どれも日常のインテリアの参考になるポイントが満載です。
今回の紹介を通して、英国田園の落ち着いた雰囲気や、アンティーク家具を生かした空間づくりのアイデアをぜひ取り入れてみてくださいね。
ウインザーチェアの歴史

photo by: kentstore
The Queens Arms には、英国アンティーク家具の代表格である ウィンザーチェア(Windsor Chair) が数多く置かれています。
そのシンプルながら優雅なデザインは、何世紀も経った今でも英国の邸宅やホテルで愛され続けています。
さらに、ウィンザーチェアをもとに派生して生まれた アーコールのゴールドスミスチェア も注目のアイテムです。
ウィンザーチェアの機能性と美しいフォルムを引き継ぎつつ、モダンな雰囲気も加わったこのチェアは、空間に軽やかさと上質さを添えてくれます。
ウィンザーチェアの歴史とゴールドスミスチェアの歴史や特徴、魅力をさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらのブログ記事をご覧ください。
ケントストア オンラインショップ

ケントストア オンラインショップは、今回ご紹介したテーブル、チェアなどのアンティーク家具はもちろん、コンベックスミラーなどの小物雑貨も豊富に取り揃え、見るだけでもワクワクするラインナップです。
一つひとつのストーリーを感じながら、日常を彩る家具や小物の数々をお楽しみください。
きっと、お気に入りの逸品に出会えるはずです。
商品に関すること等、お気軽にお問い合わせくださいませ。