History of Tea Trolley
ティートローリーの歴史と物語

Story
18世紀中頃から貴婦人の間で広まったお茶会は、19世紀のヴィクトリア時代には中上流階級の生活では欠かせない日常となっていました。
つまり、大人数のメイドを常に雇っておくことが出来ない家庭でもお茶会を楽しむ機会が頻繁にあったということになります。
紅茶に使うティーポットやティーカップ、ティーソーサー、ケーキやスコーンの皿などを一つ一つテーブルまで運ぶのは大変ですし、運んでいる最中に大事なティーカップを傷つけてしまう恐れもあります。
またキャスター付きのティーテーブルにティーポットやティーカップをセットして来客時にご自慢のティーセットや華やかなお菓子を一度に出して見せることは、プレゼンテーションにもなりました。
ティータイムの途中でケーキやスコーンの皿などでテーブルがいっぱいになった時は、余分なお皿をティートローリーにとりあえず載せてゆっくりと過ごすことも。そうしてティートローリーは重宝されるようになっていきました。
その後のエドワーディアンまで、ティートローリーは家庭用のものがほとんどで多くは木製で、ダイニングの家具やサロンの椅子などとも違和感なく溶け込むように作られていました。時には天板がおおきくなるような仕掛けが施されたものも。
現代ではその名の通りティータイムはもちろん、キッチンのワゴンやダイニングのサイドテーブルとして、そしてプライベートルームにも便利にお使いいただけるアイテムです。
The kinds of Tea Trolley
ティートローリーの種類

四角い天板タイプ
ティートローリーの中で最も多いデザインは長方形です。
ダイニングテーブルと同様、使い勝手が良くコーディネートに最も取り入れやすいのが長方形です。使用面積が多いのもメリットです。

丸い天板タイプ
四角形に比べると天板の面積がやや小さくなってしまいますが、長方形の家具が多い中で部屋全体の印象を優しく柔らかく感じさせる効果があります。
角にぶつけてしまう心配もないのでお子様のいるご家庭でも安心してご使用いただける形状です。

天板が広がるタイプ
天板がバタフライ式に開閉可能なデザインです。
ボリュームによってテーブルの大きさを変えられるのはとても便利です。

ERCOL アーコール
英国伝統的スタイルとモダンデザインが融合したアーコール社のティートローリー。
エルム材を最大限に活かしたデザイン、またコロンとしたERCOL独自のキャスターが特徴です。
ティートローリーの特徴・機能と使用方法
まずはキャスターが付いていること。キャスターが付いていることでティーポットやティーカップをセットしておけば、テーブル近くまで安全に運ぶことができます。
また2段・3段と棚があることで、ティータイムの途中やテーブルがいっぱいになった時、余分なお皿などをティートローリーに一旦避け、ゆっくりとアフタヌーンティーを楽しむことができます。
天板を開閉できたりカトラリーを収納できる引き出しのついたのタイプもございます。
現代においてティートローリーは、アフタヌーンティーを楽しむのに使用することはもちろん、ディスプレイ台や花台、ベットサイドテーブルなど様々なご用途にお使いいただけます。
How to use Tea Trolley
ティートローリーの活用術
来客時に使用する家具として作られたため、機能性はもとよりデザイン性にも優れています。
トローリーとは料理やティーセットを運ぶためのワゴンですが、デスクの脇においてお仕事のためのキャスターワゴン、キッチンでサイドテーブル、またフラワースタンド(花台)としてもご利用いただけ便利です。
リビングでもキッチンでも大活躍なのがこのティートローリーです。

①ティータイムのお供に

②ショップの陳列台として

③テーブルの代わりに

④オフィスなどお仕事にも大活躍
Key points of choosing Tea Trolley
ティートローリーを選ぶポイント

①ツイストレッグの2段タイプ

②引き出し付きの3段タイプ

③彫刻が施された天板開閉タイプ

④2段目の棚板が開くタイプ
天板の形や棚の数など様々な中から、お好みのデザインのものをお選びください。
料理を運ぶワゴンとして使うのであれば、実際に店舗で動かして使い心地をお試しになることをお勧めします。
Key points of repairing Tea Trolley
ティートローリーの修理ポイント
アンティーク家具の魅力の一つが1点物であること。そして特注品を含めて個性に合わせてオーダーメイドしたストーリーが魅力です。

① 構造面のこだわり

ティートローリーは動かしながら使用する機会が多い家具です。
デザイン性も重視されるため、脚は細いものが多く、グラつきやガタつきが起きやすいです。
そのため、構造面・装飾面・機能面全てにおいてデザインを損なわないよう丁寧な修理を施しています。
② キャスターのこだわり

ティートローリーはフレーム構造になっており、移動する際に歪みやグラつきが出やすくなります。
補うための補強材を入れ、動きをスムーズにするためにキャスターを交換したりするなど、実際の稼動にも耐えうる修理をしております。
置いてあるときには何も問題がなかったティートローリーも動かしたときに不具合が出るケースもあるので、その点を特に注意して慎重に修理しております。
③ 塗装のこだわり

部分的に状態の悪いところ所を剥離し、できるだけオリジナルの塗装を活かしています。
本場英国と同じ仕上げにするため、マイランズ社のナイトロステインを使用。そして透明感のある美しい仕上がりのニスを塗ることで、素材を最大限に活かし本来の雰囲気を引き立てるようにしております。
ケントアンティーク家具に共通した修理ポイント

アンティーク家具を後世に残すことを目的に、世界に誇る日本の技術力と、伝統の英国材料で再現するケントクオリティの修理
Wood Work〜木工修理〜
日本の「モノ作り」の評価は世界でもトップクラスと言われています。
ケントが工場を構える静岡はその中でも家具の産地として徳川家康の時代より全国の職人が集結した「モノ作り」の聖地です。
ケントはその伝統のある静岡で家具職人を集め、若手を育てながら日本の技術を伝承しています。
新たな「モノ直し」文化を世界に向けて発信し、日本の高度な修理力を実践しています。

Paint Work〜家具の塗装・装飾金具〜
伝統と優れたモノを大切にする英国では家具を修理するマテリアルも現代に受け継がれています。
英国アンティーク家具の修理ポイントは、この時代の家具と一番相性の良い材料を選ぶ事。
ケントでは塗料からディテールの装飾金具に至るまで伝統あるイギリス製にこだわっています。それによりイギリス生まれイギリス育ちのアンティーク家具を完璧に再現し、時代の物語を秘めたアンティーク家具に仕上げています。

How to do maintenance
ティートローリーのお手入れ方
ご使用の注意点・設置場所
湿気の多い場所や直射日光のあたる場所での設置は避け、極度の乾燥を防ぐためにエアコンや暖房器具付近の設置もご注意ください。急激な温度変化や乾燥により、木の反りやわれの原因となります。
また、水平な場所に設置してください。脚部の破損の原因になる恐れがあります。
月1回のメンテナンス
定期的なワックスでのメンテナンスをお勧めしております。ワックスをかけることで木に潤いを艶を出し、アンティークの風合いをより楽しめます。また、ワックス膜により塗膜を保ち、乾燥による不具合を防止できます。
現代家具のようなウレタン塗装ではありませんので、水や熱いものを直接天板の上に乗せると塗装を痛める原因となり、シミや跡が残る場合がありますので、ランチョンマットなどをご使用することを推奨します。
ただし天板の全面を覆うようなビニールクロスは木の呼吸を止め、湿気が溜まり逆に塗装面を傷める原因となりますのでご使用を控えてください。布製のテーブルクロスかランチョンマットをお勧めします。
傷がついてしまった場合
小さな傷はタッチアップペンやスクラッチカバーで目立たなくすることができます。使い方は簡単です。塗って乾かすだけです。塗るときに傷部分からはみ出さないようにご注意ください。
ガタつき・グラつきの場合
ガタつきがある場合の主な原因は家具の水平がとれていない場合に生じます。応急処置としてはガタつく隙間に何か板を入れたり、アジャスターを取り付けて各脚の高さを調整すると直ります。グラつきの場合は家具のゆるみなどから生じる揺れが原因の為、ひどい場合は家具自体の組み直しが必要となります。その場合はケントファクトリーにご相談ください。
プロの修理が必要な場合

アンティーク家具はメンテナンス品を使用して、簡易的な補修ができる家具ですが、構造的な修理が必要な場合や、購入時の状態に復元して綺麗に使用されたい場合は、ケントファクトリーへご相談ください。お客様の家具の問題やお悩みを解決いたします。
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アンティーク家具にかける、
ケントの想い





