What is a Hallstand?
History of Hallstand
ホールスタンドの歴史と物語

Story
ホールスタンドは19世紀に出現し、挽物の支柱にコートや帽子をかけるアームのついた家具でした。
上流階級では当たり前に設置されていましたが、中流階級では玄関が大きくはなかったので必需家具ではありませんでした。
小さい家の玄関は一般的に狭く地下室や階段の入り口であって、階段の踊り場程度の広さでした。
このためそのスペース内で置けるよう、壁に寄せ柱の中央部に棚を付け下方には引き出しを追加した家具が玄関用家具としてつくられていました。
やがて両脇にアームが伸び、中央には鏡を取り付けるように、さらに引き出しの脇に傘・ステッキ立てを、下には鉄製の滴受けが付けられました。
数々の材質のものを含め様々に発展を遂げ、ホールスタンドは19世紀末までに英国中のどの家庭にも置かれるようになっていったのです。
The kinds of Hallstand
ホールスタンドの種類

基本的なデザイン
ミラー・ステッキ置き・帽子をかけるフックが付いているもの

ベンチ付き
ベンチ付きのホールスタンド。
靴の着脱時や外出前に軽く腰かけたいときに便利です。

ミッドセンチュリー デザイン
主にチーク材で作られたミッドセンチュリーのデザイン。
ミッドセンチュリーとは、1950年代を中心に1940~1960年代にデザインされたインテリアスタイルを総称しています。
ドレッシングチェストの特徴・機能と使用方法

①ステッキ・傘立て

②ハットかけ

③ミラー

④奥行わずか30センチほど
玄関ホールに置き、ステッキ・傘立てや帽子・コート掛けとして使用することはもちろん、鏡や引出しなどが付属しているためお出かけ前の身だしなみをチェックすることもでき、実用性に富んでいます。
身だしなみを気にする紳士淑女の国イギリスならではの家具です。
ホールスタンドは奥行をあまりとりません。
加えてミラーによる空間を広くみせる効果もありますので、素敵なインテリアを演出することができます。
How to use Hallstand
ホールスタンドの活用術
ご自宅としてご使用になることはもちろん店舗什器としても活躍できるアイテムです。
お洋服や帽子を掛けたり…、アイディア次第で様々なご用途に。
ホールスタンドはお好みで自由自在にアレンジをすることができる楽しい家具です。

①店舗什器として

②店舗什器として

③店舗什器として

④アレンジを加えて洗面台に
Key points of choosing Hallstand
ホールスタンドを選ぶポイント

①タイルがはめ込まれているデザイン

②細部にわたり彫刻が施されたデザイン

③サイドにステッキ立てがあるデザイン

④ステッキ立ての受け皿がないデザイン
玄関という限られた空間に置くため、サイズは重要なポイントです。
狭い空間に高さのあるものを置けば圧迫感が出てしまいますし、広い空間に小ぶりなホールスタンドですと以外の空間を埋めなくてはなりません。
また身だしなみをチェックする鏡が必要か、人数分の傘・ステッキが収まるサイズのスタンドかなどを考慮して選ぶとよいでしょう。
玄関は家の中で一番初めに目にするところです。お客様を招いた際には玄関のインテリアで印象が変わりますので、重要な役割を担っています。
Key points of repairing Hallstand
ホールスタンドの修理ポイント
アンティーク家具の魅力の一つが1点物であること。そして特注品を含めて個性に合わせてオーダーメイドしたストーリーが魅力です。

① 部品のこだわり

ホールスタンドは、フレームのデザインはもちろん取り付けられているフックもそれぞれ非常に個性的でホールスタンドの表情を作り出すのに重要な役割を果たしています。
しかしこのフックが全て良い状態で揃っていない場合があり、ひとつでも破損していたり、ひとつだけ違うデザインのものが取り付けられていたりすると、その美しい家具の表情を損ないます。
ケントストアでは、破損していたり欠損しているものは全て揃い組みのフックに交換し、ホールスタンドのバランスの取れた表情を保つよう修理をしております。
また、傘立て部分の受け皿が欠損していたり、錆びで穴が開いているものは、新しく製作しております。
② ミラーのこだわり

オリジナルを最大限に活かしつつ、ヒビ・割れ・欠け・錆については全て交換しています。
高級感のある面取りミラーを交換する場合には面取り幅を9mm・15mmで再現しています。
コーキングは、オリジナルによくあるこげ茶~煉瓦色によく馴染むため、イギリス製のコーキング材を使用しております。
③ 塗装のこだわり

ホールスタンドは下部の隙間に入り込んだ綿埃が多いため、クリーニングを徹底してから塗装を行います。背の高い家具は上部と下部の濃さの見え方が異なるので寝かして色味の差をチェックしていきます。
例えば、脚元の色目は濃いのに対し引き出し内部が薄めだったり角部分が濃く縁どられていたりと、アンティークらしい塗装がされていることが多いため、個性を出しつつ上品に仕上げます。
部分的に状態の悪いところ所を剥離し、できるだけオリジナルの塗装を活かしています。
本場英国と同じ仕上げにするため、マイランズ社のナイトロステインを使用。そして透明感のある美しい仕上がりのニスを塗ることで、素材を最大限に活かし本来の雰囲気を引き立てるようにしております。
ケントアンティーク家具に共通した修理ポイント

アンティーク家具を後世に残すことを目的に、世界に誇る日本の技術力と、伝統の英国材料で再現するケントクオリティの修理
Wood Work〜木工修理〜
日本の「モノ作り」の評価は世界でもトップクラスと言われています。
ケントが工場を構える静岡はその中でも家具の産地として徳川家康の時代より全国の職人が集結した「モノ作り」の聖地です。
ケントはその伝統のある静岡で家具職人を集め、若手を育てながら日本の技術を伝承しています。
新たな「モノ直し」文化を世界に向けて発信し、日本の高度な修理力を実践しています。

Paint Work〜家具の塗装・装飾金具〜
伝統と優れたモノを大切にする英国では家具を修理するマテリアルも現代に受け継がれています。
英国アンティーク家具の修理ポイントは、この時代の家具と一番相性の良い材料を選ぶ事。
ケントでは塗料からディテールの装飾金具に至るまで伝統あるイギリス製にこだわっています。それによりイギリス生まれイギリス育ちのアンティーク家具を完璧に再現し、時代の物語を秘めたアンティーク家具に仕上げています。

How to do maintenance
ホールスタンドのお手入れ方法
ご使用の注意点・設置場所
湿気の多い場所や直射日光のあたる場所での設置は避け、極度の乾燥を防ぐためにエアコンや暖房器具付近の設置もご注意ください。急激な温度変化や乾燥により、木の反りやわれの原因となります。
また、水平な場所に設置してください。脚部の破損の原因になる恐れがあります。
日常的なお手入れ・拭き方
通常のお手入れは柔らかい布でやさしく乾拭きしてください。
水拭きをする頻度が多い場合は、家具表面が乾いた後にこまめにワックスがけをすることをお勧めします。ワックスがけをすることで家具の艶だし効果があるだけではなく、水拭きに対する塗装の劣化を防止する効果にもつながります。
※水分が付着しそのままにしておくと白いシミの原因になりますので十分注意してください。
月1回のメンテナンス
定期的なワックスでのメンテナンスをお勧めしております。ワックスをかけることで木に潤いを艶を出し、アンティークの風合いをより楽しめます。また、ワックス膜により塗膜を保ち、乾燥による不具合を防止できます。
傷がついてしまった場合
小さな傷はタッチアップペンやスクラッチカバーで目立たなくすることができます。使い方は簡単です。塗って乾かすだけです。塗るときに傷部分からはみ出さないようにご注意ください。
金具部分
乾拭きで十分です。古い金具が使われていることがありますので、取り扱いには注意してください。
ミラーの部分
普通のガラスクリーナーでお手入れしてかまいません。しかし、化学薬品を使用する場合は木材の部分に付着しないように気をつけて行ってください。
お手入れをする際は、鏡に直接吹きかけるのではなく、いったん布にとり、ミラーを磨いていただくと木材に付着する恐れがありません。また最後に乾拭きをしっかりすることをオススメします。
ガタつき・グラつきの場合
ガタつきがある場合の主な原因は家具の水平がとれていない場合に生じます。応急処置としてはガタつく隙間に何か板を入れたり、アジャスターを取り付けて各脚の高さを調整すると直ります。グラつきの場合は家具のゆるみなどから生じる揺れが原因の為、ひどい場合は家具自体の組み直しが必要となります。その場合はケントファクトリーにご相談ください。
プロの修理が必要な場合

アンティーク家具はメンテナンス品を使用して、簡易的な補修ができる家具ですが、構造的な修理が必要な場合や、購入時の状態に復元して綺麗に使用されたい場合は、ケントファクトリーへご相談ください。お客様の家具の問題やお悩みを解決いたします。
>>> お問い合わせはこちらから
アンティーク家具にかける、
ケントの想い





