Explanation 解説
1880年頃に製作されたウォールナット製のダイニングテーブルです。 その木目の美しさから世界中で愛されており、世界3大銘木とも言われているウォールナット材ですがその中でも他に類を見ない程の美しい木目となっています。 厚みのあるサーペンタインの天板に四又の脚が描く曲線は美しさと安定感が両立した計算されつくしたデザイン、柔らかなシルエットラインのフランス系デザインは当時のヴィクトリアン・ネオバロック様式の最先端デザインとされています。 こういったテーブルデザインは現在出回っているペデスタルテーブルのルーツともなっています。 ペデスタルテーブルとはテーブルの脚が4隅や両端にあるのではなく、中央に1本、台座式に天板が支えられているテーブルの総称になります。
18世紀中頃に王侯貴族の朝食用テーブルとして多く見られたデザインですが、その後19世紀にはいるとヘップルホワイト(George Hepplewhite)を始めとした著名なデザイナーが自身のデザインに取り入れるようになりたちまち世間に普及していったデザインです。しかし普及したというはあくまで富裕層の中でのことであり、一般的に見ると通常のダイニングテーブルに比べ、数段クオリティーの高い家具として認識されていました。 こうした世界中で人気のテーブルの創成期に作られたこちらのテーブルが現在この状態で遺されていることは奇跡に近いのかもしれません。